高齢者の医療費・介護費用

介護費用と生前贈与
おばあちゃんは現在85歳、長男60歳、次男58歳です。長男夫婦には子供はなく、次男夫婦には22歳になる一人息子がいます。 現在、おばあちゃんは、長男夫婦と同居しています。収入は、年金収入のみで年間24万円程度です。貯金は、おじいちゃんが残してくれた定期貯金2000万円、普通預金300万円の合計2300万円です。その他には財産は有りません。おばあちゃんは、元気なうちに次男の一人息子である孫にまとまったお金を渡したいと思っています。ただ、最近、ちょっと物忘れがひどくなっているようで、同居している長男夫婦としては、万一、介護になった場合、自宅での介護はできないので、施設や有料老人ホームを念頭に入れています。孫にお金を渡して大丈夫なのか、万一、施設に入った場合、どのくらいお金がかかるのか心配。孫に渡す金額は、介護費用として1500~2000万円を残し、残額の300~800万円を「相続時精算課税制度」を活用する等で、おばあちゃんの思いを達成することができます。なお、認知症で意思能力がなくなると契約行為ができなくなりますので、注意が必要です。※(令和6年から改正:国税庁)
民間医療保険は公的医療保険制度を理解したうえで検討を
入院に備えるために、例えば、Xさんのような年齢の方であれば、毎月7千円~1万円近くの保険料(1入院60日型)を支払うことはどうでしょうか。1年間で8.4万円~12万円になります。この保険料を毎月貯金しておけば、1年間で30日程度の入院はカバーできるのではないでしょうか。なお、保険料は、年齢、性別などによって異なり、年齢や病状によっては加入できない場合があります。長期入院リスクには、民間の医療保険に加入を検討するか、毎月医療保険に加入したと考え、別口座に貯金しておくのも一つです。どうしても貯金ができない場合には、強制的に毎月一定額を積み立てる「積立定期預金」等を利用するのも一つの方法です。保険料は、あくまでも支払いのできる範囲内で検討してはどうでしょうか。

ようやくリハビリにロボット!期待大
まさに突然介護が始まりました。母親が脳溢血で倒れたのです。思ってもいなかったので元気になることを毎日祈るばかりでした。私たち家族全員は、なんとか昔の母親のように何でもできるようになってほしいと思い、様々なことを試しました。例えば、お水。世界で有名なルルドの泉、その湧き水を飲むと大病患者が治ったなどを知り、同じ成分に近い水を購入しました。そのほかには、栗本慎一郎さんが推奨していた「クリミラー」を試しました。鏡を使うリハビリです。鏡を使って麻痺している手が動いていると錯覚を起こさせるものだったと記憶しています。そのほかにも食べ物や言語機器レンタル等も試してみました。また、自宅の歩行練習や散歩なども週に3回くらい行っていました。すぐには回復しないので本人のモチベーションを保つことが最重要だと感じました。
親の介護をきっかに兄弟で揉める原因と対応策
親の介護できょうだいが揉めることを親は願っていません。きょうだい仲良くすることが最大の親孝行ではないでしょうか。親が介護になって、きょうだいで役割分担や財産管理等を明確に決め、合意書を締結しておけばトラブルになる可能性を低下させるでしょう。文字にすることで頭の中が整理され、確認もでき、責任も持つことができるのではないでしょうか。また、合意書の内容で、あくまで罰則などを重要視するのではなく、家族の状況に応じていつでも変えられるようにしていけば、顔を合わす機会も増え、きょうだいでの良好な関係を築く一助になります。

認知症の保険は自分の介護費用の備えのほかに必要なものは?
最近、親の物忘れが気になったりするときがあります。早めの受診したほうがいいのはわかっていますが、なかなか本人が病院に行かないケースもあるのではないでしょうか。そのときは「噓も方便」です。例えば、75歳になったら、全員必ず病院でMRIの検査をする必要があるなど。。何とか親に受診してもらうように工夫してみてはどうでしょうか。 認知症などで介護になった場合、介護費用が必要になります。そのための備えとしては民間の介護保険や認知症保険なども検討するのも一つです。また、それ以外にも自宅をお持ちの方でしたら、リバースモーゲージや家族信託等も対策の一つです。 さらには、他人に迷惑をかけるために備えることも重要でしょう。そのためにも個人賠償責任保険などへの加入も一つです。 本人の介護費用の捻出だけではなく、他人への補償も念頭に入れてみてはどうでしょうか。
70歳くらいを目途に増える介護費用の対策を!
介護は突然、襲ってきます。介護の原因としては、認知症が最も多く、次いで脳疾患血管です。仮に、認知症などで判断能力がなくなった場合、資産が凍結します。介護費用が親の財産から使えなくなり、子どもが支援する必要がでてきます。親が70歳くらいになれば、介護、医療などを考慮したマネープラン等を立て、子どもと共有することができれば理想です。今後も、介護費用は増加していくと予想され、お元気なうちに自宅を含めた活用なども検討する必要があるでしょう。

介護保険制度の改正で負担が増える
介護保険制度は3年に1度改正があります。2024年の改正の次は2027年です。2027年では自己負担2割の人の拡大やケアプランの有料化などが検討されています。 介護保険の改正の都度、利用者の負担が増加しています。今後も増えていくことを前提として、マネープランを立てましょう。また、軽減の申請などは忘れないようにすることは大切です。特に、親御さんと離れて暮らしている子どもさんの場合は、気を配るようにしましょう。
高額介護サービス費の課税所得とは
高額介護サービス費の「課税所得」とは、住民税課税所得です。年金のみをもらっている人の場合、住民税課税所得は公的年金等の収入から公的年金控除等を差引き(これを所得という)、さらに所得控除(基礎控除、社会保険料控除、医療費控除等)を差引いた金額が「課税所得」になります。社会保険料控除や医療費控除等の所得控除が多ければ課税所得は少なくなります。

<確定申告>白内障手術費用は医療費控除の対象になる?
所得税の確定申告をする期間は、毎年2月16日から3月15日(土日の場合は、翌月曜日)です。税金を納めている人であれば、医療費控除を申告することによって節税効果があります。ただし、迷うのが医療費の範囲等ではないでしょうか。また、平成29年から「セルフメディケーション税制」が創設されましたが、この制度は、従来からある医療費控除とは、選択制になっています。以下、従来の医療費控除を選択した場合とします。年齢を重ねると、白内障等を経験するのではないでしょうか。保険適用の手術や自由診療の手術でどっちを選ぶか、メリット・デメリットを担当医の先生によく聞いて判断しましょう。医療費控除の一定の要件を満たせば白内障は対象になり、その後の医師の指示による眼鏡の購入代金も医療費控除の対象になります。詳しくは、税務署等にお問い合わせしましょう。
要介護のレベルは?重いのは要介護5
令和5年11月末現在(暫定)、第1号被保険者のうちで要介護認定者数(要支援含む)は全国で約694万人となっています。具体的には、要支援1の認定者数は約100万人、要支援2は約97万人、要介護1は144万人、要介護2では約116万人、要介護3では約91万人、要介護4では約88万人、要介護5では約58万人となっています。要介護認定者(要支援含む)とは、「要支援状態」や「要介護状態」の認定を受けた人たち。「要支援状態」とは、介護は不必要ですが、要介護とならないよう支援が必要である状態のことです。「要支援1」・「要支援2」の2段階に分けられます。 一方、「要介護状態」とは、継続した一定の介護が必要な状態のことです。「要介護1」・「要介護2」・「要介護3」・「要介護4」・「要介護5」の5段階に分かれています。数字が大きいほうが状態が重く、「要介護5」と言えば、最大値です。

さらに表示する