認知症の保険は自分の介護費用の備えのほかに必要なものは?

高齢の親の物忘れ、認知症?

2025年には、認知症の方が700万人にもなるとも言われており、認知症が以前にも増してよく耳にするようになった気がします。

Q.

最近、親の物忘れが多くなり、認知症ではないかと心配しています。本人は「認知症ではない」と言っており、病院に行こうとしません。そこで認知症かどうか参考になる方法はありますか。

 

A.

「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」が参考になるのではないでしょうか。

私も実際に親のときにお医者さんから親に対して以下のような質問がされました。

全部で9問有り、30点満点で間違いは0点、正解は1点となります。

例えば、

  • お歳はいくつですか? (2年までの誤差は正解)
  • 今日は何年何月何日ですか? 何曜日ですか?
  • 私たちがいまいるところはどこですか?(自発的に答えれば2点、5秒おいて家ですか?病院ですか?施設ですか?のなかから正しいものを答えれば1点)
  • これから言う3つの言葉を言ってください。100から7を順番に引いてください。5問まで一部抜粋、参考文献:「ボケた親の財産を守る」技術評論社より)

判定は、30点満点中20点以下は認知症の疑いがありとなります。このテストは年齢別による正常値はありません。ただし、あくまでもテスト自体は参考程度にとどめる必要があるかもしれません。

 

 

というのも、私の父親が受けたときは28点とかなり高得点で安心していたのですが、そのあとに受けたMRIの検査結果はアルツハイマー型の認知症との診断を受けました。MRIを受けたことにより親に対して適切な対応ができたと思っています。早期発見は大切ですので、心配になった場合は、はやめに受診するようにしましょう。

認知症の保険

「認知症になった場合の保険?」と言えば、認知症保険など本人のための保険を思いつく人が多いのではないでしょうか。認知症で介護状態になった場合にかかる介護費用は、認知症なしで介護になった場合よりも大雑把に言えば2倍くらいかかる場合もあります。

 

そのために備えるために認知症保険などがあります。ただ、もう一つ、保険はあるのではないでしょうか。認知症の方自身が起こすトラブルなどに備えるためです。

 

 

認知症保険以外にもある対策

認知症による介護費用捻出の方法の一つには、民間介護保険、認知症保険などがあります。親子が遠距離の場合は認知症になった親の一人暮らしは不安でしかありません。

保険に加入している場合、認知症保険などで受取った保険金を活用して老人ホームの入居一時金やグループホームなどの毎月の費用への充当することができます。

 

また、保険以外では、信託銀行の扱っている商品もあります。

例えば、M信託銀行のある商品は、親が認知症などでお金の管理が難しくなった場合に、代理人(例えば、子ども)を設定しておき、その子供が親の代わりに払い出しをします。

このお金を活用して有料老人ホームやグループホームなどの毎月の費用の支払いに充当することができます。

なお、信託金額が最低200万円、信託報酬が設定時などに信託金額の1.5%(最低10万円)、毎月の管理料が480円必要になります。

安心である反面、最低金額や原則中途解約ができないなど柔軟性はあまりなさそうです。

しかも、いますぐ資金には対応が難しく、最長5日出金まで必要な場合もあります。また、成年後見人がついた場合には、代理人には権限がなくなり、後見人が役割を担うことになります。

 

その他では、介護費用の捻出には、リバースモーゲージ、リースバック、民事信託(家族信託)などがあります。

 

いずれも認知症で判断能力がなくなると契約はできなくなります。どうしても後回しにしてしまいがちですので、健康寿命を目途にしてみてはどうでしょうか。

他人に迷惑をかけてしまう場合

一方、認知症になった親が近隣への損傷などで賠償金が必要性になった場合、個人賠償責任保険への加入することによりリスクを軽減できます。

 

高額の賠償金もありえますので介護者(親の介護をしている子供など)の負担を軽減するためにも検討する必要があると思います。

まとめ

最近、親の物忘れが気になったりするときがあります。早めの受診したほうがいいのはわかっていますが、なかなか本人が病院に行かないケースもあるのではないでしょうか。そのときは「噓も方便」です。例えば、75歳になったら、全員必ず病院でMRIの検査をする必要があるなど。。何とか親に受診してもらうように工夫してみてはどうでしょうか。

 

認知症などで介護になった場合、介護費用が必要になります。そのための備えとしては民間の介護保険や認知症保険なども検討するのも一つです。また、それ以外にも自宅をお持ちの方でしたら、リバースモーゲージや家族信託等も対策の一つです。

 

さらには、他人に迷惑をかけるために備えることも重要でしょう。そのためにも個人賠償責任保険などへの加入も一つです。

本人の介護費用の捻出だけではなく、他人への補償も念頭に入れてみてはどうでしょうか。