親の介護費用は500~600万円?
介護費用は500〜600万円が目安と言われますが、実際の相談では費用よりも家族の役割や判断が決まっていないことで困るケースが少なくありません。
例えば、
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誰が親の通帳を管理するのか
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施設に入るか在宅介護か誰が決めるのか
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兄弟で費用や手続きをどう分担するのか
こうしたことが決まっていないと、介護が始まったときに家族の負担が大きくなります。
当事務所では親の介護に備えた「家族会議の整理支援」を行っています。
「親が元気なうちに家族で話し合っておくことで、介護が始まったときの混乱を防ぐことができます。」
40〜60代になると、親の介護が現実的な問題に!
40〜60歳になると、「将来、親の介護が始まるかもしれない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
親が健康なうちは気にならないかもしれませんが、いざ介護が始まったときに準備ができていないと、家族に大きな負担がかかることがあります。
本記事では、親の介護が始まったときに「お金」と「手続き」で困らないために、40〜60代のうちにやっておくべき準備をFPの視点から整理します。
介護費用の準備:約500~600万円と言われる理由
【介護にかかる費用の目安】
介護費用は、在宅介護か施設介護かによって大きく変わります。ただ、目安がないと準備もできないのでザックリと500万円~600万円くらい、ただし、個々(家族)で大きく違います。
以下は、生命保険文化センターが実施した「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査(全体版)」による、おおよその目安です。
なお、特に予測が不可能である介護期間によって、介護費用は大きく変わることに注意が必要です。
在宅介護の費用はいくら?月額約5万円
訪問介護やデイサービスを利用する場合、自己負担額を含めた平均的な費用は月額5.2万円です。年間62.4万円、5年間で312万円、10年間で624万円です。
ただし、この金額は要介護度やサービスの利用回数によって変わります。
また、居宅サービスの場合、 区分支給限度額を超えた場合、超えた分は、全額自己負担(10割負担)になり、大幅に費用が増加します。
施設介護の費用はいくら?月額約13.8万円
特別養護老人ホームなどの施設介護では、月額13.8万円が必要とされています。年間165.6万円、5年間で828万円、10年間で1,656万円です。
なお、有料老人ホームなどの民間施設に入居すると、地域や施設によって異なりますが、おおむね月額20万円~40万円くらいを目途にした方がいいでしょう。
施設選びによって大きな差が出るため、希望や予算に応じた検討が必要です。
介護の初期費用はいくら?住宅改修など約47万円
住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用の平均は47万円です。
このような初期費用も忘れずに見積もることが大切です。
なお、有料老人ホームでは前払金の有無を選択できる場合があります。
親の介護費用を軽減できる方法
親の介護において資金準備の方法を整理しましょう。
以下、知っているか否かで介護費用を節約できます。
なお、要件に該当し、申請などの手続きは必要になります。
- 高額介護サービス費制度:一定額以上の介護費用を支払った場合、上限を超えた部分が払い戻される。
- 高額介護合算療養費制度:医療と介護の両方で一定額を超えた分が払い戻される。
- 特定入所者介護サービス費:一定基準以下の預貯金しかない低所得者向けに、公的介護保険施設の「居住費・食費」の自己負担を軽減。
- 医療費控除:介護に関する費用が医療費控除の対象になる場合がある。
- 障害者控除:65歳以上で障害手帳を持っていなくても、一定基準を満たせば障害者控除を受けられる場合がある。基準が各自治体で異なる。
これらの制度を活用することで、負担を軽減できます。
詳しくは、サービスにかかる費用(厚生労働省)、所得控除(国税庁)をご参照ください。
年金と貯蓄のチェックポイント
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公的年金だけでまかなえるかを確認
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不足分を補うために貯蓄の取り崩し計画を立てる
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必要に応じて家計全体を見直す
FP(ファイナンシャルプランナー)による資金計画の活用
- 介護費用の試算や老後資金の計画をプロの視点で確認
- 貯蓄や資産をどのように活用するべきか具体的なアドバイスを受けられる
- 必要に応じて、保険や資産運用の見直しを行い、最適な対策を立てる
不動産や資産の活用
親の介護は突然襲ってきます。
制度を正しく知り、早めに備えることで、安心した老後と家族の負担軽減につながります。
認知症などで判断能力の低下に備える財産管理
認知症などで判断能力が低下した場合、銀行口座の凍結や不動産の売却が難しくなるため、事前に財産管理の対策をしておくことが重要です。
認知症などで判断能力がなくなる前に、信頼できる人(子どもや専門家)を後見人として指定する契約で、判断能力が低下した後でもスムーズに財産管理を行える
家族に資産管理を任せる仕組みで、スムーズな財産管理が可能。例えば、自宅を子どもに管理してもらい、自分が住み続けることもできる
「自分が亡くなった後に、家族が相続で揉めないようにしたい」と考える方は多いでしょう。
自筆証書遺言は手軽だが、形式を間違えると無効になる可能性がある一方、公正証書遺言なら、安全かつ確実に意向を残せます。
40~60代のうちに知っておくと良い主な介護施設の種類
介護施設選びの準備:親が元気なうちに考えておくべきこと
【介護施設選びと「終の棲家」】
親が介護が必要になったとき、「どこで暮らすか?」という選択は、単なる住まいの問題だけでなく、人生の最期をどのように過ごすかという「終の棲家」に関わる重要な決断となります。
自分らしく最期まで過ごすためにも、また家族の精神的・経済的な負担を軽減するためにも、元気なうちから情報を集め、考えておくことが大切です。
【主な介護施設の種類と特徴】
原則、要介護3以上の方が入所対象となり、費用が比較的安価ですが、地域によっては入所までの待機期間が長いことがあります。おむつ代がすでに費用に含まれているため、追加料金の心配が少ないのが特徴です。
介護サービスが包括されており、要介護度に応じた費用が予測しやすいです。ただし、おむつ代が別途かかり、予算には多めに見積もっておくことをお勧めします。
- 住宅型有料老人ホーム
介護サービスは外部のサービスを利用し、必要に応じて介護サービスのメニューを選択できます。このため、予算が変動しやすく、予算オーバーの可能性もあります。また、おむつ代は介護付き有料老人ホームと同様、別途必要となり、予算に余裕を持たせておくことが大切です。
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
安否確認や生活相談など、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリーの賃貸住宅です。元気なうちから入居することができ、介護が必要になった場合は、外部のサービスを利用する一般型と、介護スタッフが常駐している「介護型」があります。
【事前にできる準備:見学と比較】
- 親が介護が必要になってから探し始めると、選択肢が限られ、焦って決めてしまうことも。
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40から60代のうちに気になる施設を実際に見学し、雰囲気やサービス内容を比較しておくと安心。
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パンフレットやウェブサイトの情報だけでなく、職員の対応や居住者の様子も要チェック。
※参考 あんしん なっとく 有料老人ホームの選び方(東京都福祉局)
まとめ
40から60代でやっておくべきことは、大きくは6つです。
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親の介護費用の準備:どのくらいお金がかかるか試算し、将来の支出に備える。
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公的制度・年金・保険・資産の活用:公的制度や年金、保険、貯蓄をどう活用するかを検討する。
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FP(ファイナンシャルプランナー)による資金計画の活用:専門家のアドバイスを受け、具体的な対策を立てる。
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認知症や財産管理の準備:任意後見契約や民事信託、遺言書などを検討し、将来に備える。
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介護施設の種類の把握:施設の種類や特徴を理解し、どの施設が自分に適しているか考えておく。
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事前に施設を見学し、選択肢を考えておく:実際に介護施設を見学し、どこで過ごすかを前もって検討する。
これらの準備をしておくことで、いざというときに家族の負担を減らし、自分自身も安心して生活できます。
もし、「何から手をつければいいか分からない」と感じる方は、専門家に相談するといいでしょう。
また、40~60代の準備で最も重要なのは、「知識」ではなく、自分の場合はいくら必要かを把握することです。介護費用は人それぞれ違います。年金額・貯蓄額・住まいの状況によって、必要額は大きく変わります。
✔ 今の親の貯蓄で足りるのか
✔ 施設に入った場合、何年もつのか
✔ 認知症になった場合、資産管理はどうなるのか
これらは、一般論では判断できません。
また、40〜60代でさらに重要なのは「家族で話し合っておくこと」です。
介護費用の準備も大切ですが、それ以上に重要なのは「誰が何を決めるのか」を家族で整理しておくことです。
例えば、
✔ 親の通帳や財産の管理
✔ 施設に入るかどうかの判断
✔ 兄弟の役割分担
これらを事前に話し合っておくことで、親の介護が始まったときの混乱を減らすことができます。
もし、
「家族でどう話し合えばよいか分からない」
「役割分担を整理したい」
という方は家族会議の整理支援をご利用ください。
