2020年1月30日(木)の日本経済新聞にこのような記事がありました。「行き届かぬ介護一段と」「特養待機者が29万人と高止まり」。
特養に入所できない要介護度の高い高齢者が30万人近くで高止まりしており、入所できない高齢者の一部はサービス付高齢者住宅に流入しているという記事でした。
しかも、サービス付高齢者住宅に入居した人の7割は人生の最後まで住みたいと思っているのに、サービス付高齢者住宅の事業者の8割は終末期のケアには対応できていないというミスマッチが起こっています。
特養に入所できるまでの間、介護老人保健施設への入所や有料老人ホームへの入居だけではなく、サービス付高齢者住宅への入居も選択肢に入っているということです。
サービス付高齢者住宅(以下サ高住という)とは、どのような住宅でしょうか。サ高住も有料老人ホームと同様に建物とサービスから成り立っています。また、登録に必要な基準がハード面、サービス面それぞれにあります。サービス面では「安否確認」「生活相談」サービスが必須です。また、介護になった場合でも介護保険サービスを受けることができます。
さて、サ高住の費用はどうなっているのでしょうか。要介護状態でサ高住に入居する場合をみてみましょう。
入居時に必要な費用は、敷金に毎月の利用料です。毎月の利用料のうち固定費は、
- 住居費(家賃、共益費又は管理費、水道光熱費)
- 生活支援サービス費(基本サービス費、食費)
- 介護サービス費(保険内)
その他の費用は、変動費です。
- 介護・衛生用品代
- 上乗せ介護サービス費(保険外)
- 医療費
- 選択した生活支援サービス費
- 日常生活品代
- お小遣いなど
毎月の利用料は約10万円から30万円くらいです。サービス付高齢者住宅の情報提供システムをご参考にしてください。
さて、サ高住に入居するときに資金計画は必要です。簡単に求めるために以下の算式で求めてみましょう。
月額支払可能額=(預貯金等の資産-入居金)÷予想入居期間(平均余命×12ヶ月+○ヶ月)+年金収入等
例えば、預金が300万円、年金収入が毎月15万円の80歳(女性)が、毎月20万円で敷金60万円のサ高住Aに入居したいと思っていますが、どうでしょうか。
(預金300万円-敷金60万円)÷(平均余命11.91年×12ヶ月+36ヶ月)+年金収入(15万円)≒16.3万円
今の貯金や年金だけでは、毎月の支払える金額は約16.3万円となり、今回、サ高住Aに入居したとしても長生きした場合、資金不足に陥る可能性があるので、もう少し安いところを再検討する必要があります(※ここでは、平成30年の平均余命表を使っています。また、平均余命に3年プラスして計算しています)。この方の毎月支払える金額は約16万円です。上記の変動費も視野にいれて検討しましょう。
このように、自分に合ったサ高住がみつかれば、資金計画を立てて実際にシミュレーションして確認しましょう。
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