こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)・行政書士の河村修一です。
親の老老介護・遠距離介護を実際に経験した立場から、相続手続きや遺言書の作成、財産管理に加え、介護費用の見通しや保険の判断、老後資金の準備まで幅広くお手伝いしています。
「手続きとお金、両方の相談ができる窓口」として活動しています。
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親の物忘れが増えたり、最近やたらと生命保険や葬儀の話をするようになったりすると、「このまま介護になったらどうしよう」「お金は大丈夫なのか」と不安になるものです。
特に、親の年金や貯金だけでは将来的に生活が維持できないと感じる場合、早めの対策が重要になります。
今回は、親の年金と貯金で不足する場合にできる対策を、ファイナンシャルプランナー(FP)・行政書士の視点から解説します。
この記事では、①親のお金が足りるかの見極め方、②足りないときの制度・資産・家族支援の選択肢、③「親が話したがらない」ときの進め方を、順番に整理します。話し合いが難しい場合は、第三者が同席して「何をどこまで共有するか」を整える方法もあります。
まずは現状を把握する
まずは親の収入と支出を確認しましょう。
親の介護や将来の生活を考えるとき、まずは親の収入と支出を把握することが大切です。
【収入の確認】
- 年金額
- 退職金の有無
- その他の収入(賃貸収入や投資など)
【支出の確認】
- 生活費
- 医療費
- 固定費(住宅ローンや管理費など)
- その他
また、貯金や保有している資産(不動産・株式など)も確認し、今のままでどのくらいの期間生活できるのか試算してみることが大切です。
親が話してくれないこともある
とはいえ、親がすんなりと財産の話をしてくれるとは限りません。
例えば、こんなケースがありました。
母親が介護が必要になり、子どもが父親に「介護費用は大丈夫?」と聞いたところ、父親は「大丈夫」としか言いませんでした。
でも、子どもは父親がどれくらい年金をもらっているのか、どんな財産を持っているのか、まったく知らなかったのです。
そこで、親子で一緒に相談に来られました。
実は、お父さんはしっかりとキャッシュフロー表などを作成していて、それを初めて見た子どもはとても安心していました。
このように、親は「子どもに迷惑をかけたくない」と思うあまり、お金のことを話さないことがあります。
また、子どもがあまりに細かく聞くと、「財産を狙っているのか?」など警戒されてしまうこともあります。
親の気持ち、子どもの気持ち
子どもからすれば、「もし親のお金が足りなくなって、支援を頼まれたら?」と不安になりますし、自分の老後の生活も気になります。
親を支援した結果、自分の老後資金が足りなくなってしまったら、本末転倒です。
だからこそ、親と子どもがそれぞれの気持ちを理解し合い、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
子どもは、「親の財産が知りたい」のではなく、「いざというとき困らないように、事前に考えておきたい」という気持ちを伝え、少しずつ話をしていきましょう。
話し合いをスムーズに進めるためにも、調整役として第三者が同席し、親の不安を刺激しない聞き方で「共有すべき最低限(年金・貯金・緊急連絡先など)」だけを整理するのも一つの方法です。
家族だけで進めづらい場合は、家族会議の場づくり(議題整理・進行・メモ作成)まで含めて外部に任せるという選択肢もあります。
お互いに納得できる形で話し合いができると、安心してこれからのことを考えられます。
足りない分を補うための選択肢
現状分析の結果、年金と貯金だけでは不十分な場合、以下の対策を検討しましょう。
【介護費用の軽減制度を活用する】
- 公的介護保険
親御さんが公的介護保険を利用したくないと思うこともあるかもしれません。
しかし、自己負担を少しでも軽くするためには、ぜひ活用することが大切です。
地域包括支援センターや介護の専門家からのアドバイスを受けることもでき、支援が手厚くなるので、積極的に利用しましょう。
介護サービスにかかる自己負担額が一定額を超えた場合、払い戻しを受けられる。費用面での安心感が増すので、申請を忘れないようにしてください。
- 高額医療・高額介護合算制度
医療費と介護費の合計が一定額を超えた場合、自己負担が軽減される。もし医療や介護の費用が大きな負担になった場合、こちらも申請を忘れずに。
介護保険施設入所者等の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給される。
該当すると、「居住費・食費」で6割程度軽減される場合がある。
- 住民税非課税世帯向けの助成制度
各自治体によっては要介護者向けなどに独自のサービスがある。
- 医療費控除
介護費用も一定の要件を満たした場合、医療費控除の対象になります。確定申告することで、所得税・住民税の軽減になる。
65歳以上の方で、障害者手帳を持っていない場合でも、要介護1などの重度でない状態の場合でも、介護保険課で「障害者控除対象者認定書」を申請することを検討してみてください。
実際に私の親が住んでいる自治体では、要介護1が基準となっていました。
この認定書を取得することで、税負担を軽減できる場合があります。
ただし、各自治体によって基準が異なるため、お住まいの自治体での詳細を確認することが大切です。
親の資産を活用する
親が持っている資産を活かす方法もあります。
不動産の活用:自宅を売却・賃貸(リバースモーゲージやリースバック)することで生活資金を確保
自宅を活用する方法(売却・賃貸・リバースモーゲージ・リースバック)もありますが、契約内容によってはトラブルになることがあります。特にリースバックは国民生活センターから注意喚起が出ているため、必ず複数社比較と専門家確認をおすすめします。
生命保険の見直し:
保険料が家計を圧迫している場合は、介護期に備えて「必要保障額」を整理し、過不足の見直しを検討します。高額療養費制度など公的制度も踏まえると、過剰保障になっているケースもあります。
民事(家族)信託・任意後見・遺言の活用:
認知症で判断能力が低下すると、口座凍結や不動産売却が進まず、介護費用の捻出が止まることがあります。必要に応じて、家族信託・任意後見・遺言などを“元気なうちに”検討します(制度ごとに向き不向きがあります)。
家族で資金援助を考える
子ども世代が親の生活費を支援する場合、以下の方法があります。
- 年間110万円以内の贈与(贈与税がかからない範囲での資金援助)
- 親の生活費を仕送りする:贈与税の対象外です。ただし、そのお金で株式や不動産などを購入した場合は、贈与税の対象になります。
ただし、家族内で金銭的な支援を行う際には、お互いの経済状況を理解し合い、後々のトラブルを避けるためにも、しっかりと話し合い、領収書などを残すことが重要です。
地域包括支援センターやケアマネージャーでは対応が難しい分野
親の介護に関する相談窓口として、地域包括支援センターやケアマネジャーです。
地域包括支援センターは、高齢者の心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療・介護予防の向上と増進のために必要な援助や支援を包括的に担う地域の中核機関です。
「社会福祉士」「保健師(又は経験のある看護師)」「主任ケアマネジャー」などの保健福祉・介護などの専門スタッフが相談・支援を行います。
ただし、これらの専門職は「介護や福祉などのプロ」であり、「長期的視点になった家計のマネープラン」や「財産の活用」、「保険の見直し」、「相続対策や信託」などのお金や法律に関わる分野についての具体的なアドバイスは担当外となります。
親の資産をどう有効活用するかといった具体的なアドバイスは、FPや行政書士などの専門家でないと対応が難しいのではないでしょうか。
そのため、親の財産管理などに不安を感じたら、地域包括支援センターだけでなく、包括的の相談できるFPや司法書士、行政書士などに相談してみてはどうですか。
まとめ
親の年金や貯金だけでは生活が厳しいと感じたら、できるだけ早く対策を講じることが重要です。
- まずは現状を正確に把握する
- 公的制度や親の資産を活用して負担を軽減する
- 必要に応じて家族で話し合い、支援の方法を検討する
- 認知症になる前に財産管理の準備をしておく
介護やお金の問題は、後回しにすると選択肢が限られてしまいます。
親がまだ元気なうちに、専門家と相談しながら最適な対策を考えておきましょう。
「親のお金の管理が心配」、「介護費用をどのように準備すればいいのか分からない」という方は、ファイナンシャルプランナーや行政書士にご相談ください。
専門家のサポートを受けることで、最適な選択肢を見つけることができます。
また、もし今、親の介護が心配なら、ぜひ一度、「介護とお金そなえプラン」を検討してみてください。
あなたとご家族の未来の安心をサポートします。
介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。
メディア掲載実績
私のコメントや情報提供を行った記事が、以下のメディアに掲載されています。詳しくはこちらをご覧ください。
【過去の一部の相談事例】
・介護費用がどれくらいかかるのか不安(50代女性)
・親の遺言書・生前贈与について(40代男性)
・資産運用について基本を整理したい(60代女性)など
・介護費用に関連する補足給付について(50代女性)
・医療費控除の概要について(50代女性)
・親の有料老人ホームの費用に関するキャッシュフロー表作成(50代夫婦)
・親の収入や資産から子どもへの援助に関するキャッシュフロー表作成(50代女性)
・親の保険と介護費用に関するご相談(50代女性)
・自宅の民事信託の活用と概要について(50代男性)
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・金融機関の解約手続きについてのご相談(60代女性)
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・親の介護費用と一時払終身保険の活用について(50代女性)
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・年金受給に関するご相談(60代男性)など
