· 

親の介護費用、「いくらかかるか」だけで考えていませんか?

親の介護を考え始めると、多くの方が最初に気になるのが、「結局いくらかかるのか」ということです。

ただ、介護費用で本当に難しいのは、「いつまで続くか分からない」という点です。

例えば、毎月の負担がそこまで大きくなかったとしても、それが数年で終わるのか、長期間続くのかで、必要になるお金は大きく変わります。

 

つまり、介護費用は「総額いくら」という平均だけを見るのではなく、「どういう形でお金がかかるのか」を知っておくことが大切です。


介護費用は細かい支出が積み上がっていきます。


介護が始まると、介護サービスの自己負担だけでは終わりません。

デイサービスを利用すれば食事代などがかかりますし、通院が増えれば交通費もかかります。さらに、おむつ代や医療費、実家の管理費など、介護が始まる前には意識していなかった支出が少しずつ増えていきます。

そのため、「毎月の介護費用はそこまで高くないはずなのに、なぜかお金が減っていく」というケースも少なくありません。

 

また、介護は長期化することもあります。家族の負担を減らそうとしてサービス利用が増え、結果として想定以上に費用がかかることもあります。


親の介護で大変なのは、お金だけではありません。


親の介護が始まると、家族の中で判断しなければならないことが一気に増えていきます。

誰が親のお金を管理するのか。どこまで在宅介護を続けるのか。施設に入る場合、どこまで費用をかけるのか。緊急時は誰が判断するのか。

こうしたことを十分に話し合わないまま介護が始まると、特定の家族に負担が集中してしまうケースもあります。

実際、介護では「介護をしている人」と「費用を負担している人」が別になっているケースがありました。しかも、兄弟間でほとんど会話がないまま介護が進んでいたケースです。

すると、介護をしている側は、「少しでも負担を減らしたい」という思いから、介護サービスの利用が増えていきます。

一方で、費用を負担している側は、「なぜこんなに費用がかかっているのか」と驚くことがあります。

もちろん、どちらが悪いという話ではありません。

ただ、「どこまでサービスを利用するのか」「どのくらいまでなら負担できるのか」を家族で共有できていないと、後から大きなズレや不満につながってしまうことがあります。


私自身、親の介護を経験しました。


私が35歳のころ、母が脳出血で倒れ、突然介護が始まりました。

当時、実家は山口県、私たちは東京に住んでいました。そのため、「父が介護をするのが当たり前」という空気が自然にできていたように思います。

ただ、今振り返ると、一番の問題は、家族で何も話し合っていなかったことでした。

誰がどこまで関わるのか。お金をどうするのか。父がどれくらい大変なのか。

そうしたことを、家族で十分に共有できていなかったのです。

実際、母には後遺症が残り、父にもかなり大きな負担がかかっていました。

私たちも毎月支援をしていましたが、ある時、「援助額」の認識が家族の中でずれていたことがありました。

もちろん悪気があったわけではありません。

ただ、お金のことを曖昧なままにしていたことで、お互いに負担感や不満が生まれてしまったのです。

今振り返ると、「もっと早く話し合っておけばよかった」と強く感じています。


父の時に、さらに問題を感じました。


その後、母は施設に入り、父は一人暮らしになりました。

ただ、徐々に認知症が進み、生活も難しくなっていきました。

兄弟で何度も話し合いましたが、なかなか結論が出ませんでした。父自身も「自分はまだ大丈夫」という思いが強かったからです。

最終的には施設に入る決断をしました。

ただ、その後、父が脳梗塞で倒れた時、病院から「今後どうするか」を急いで判断しなければならなくなりました。

その時に感じたのが、何も決めていないことの大変さです。

介護費用の目安はある程度分かっていました。しかし、介護がどれくらい続くのかは分かりません。

状態が変われば、入院や施設などで費用が増えることもあります。

つまり、介護では「最終的にいくらかかるのか分からない不安」が常にあるのです。


制度を知って申請するかどうかで負担額が変わります。


父がその後脳梗塞で、入院することになりました。

その時、自治体へ「障害者控除対象者認定書」の申請を行いました。

父は障害者手帳を持っていたわけではありません。ただ、要介護状態などによっては、税法上の障害者として扱われる場合があります。

その結果、住民税が非課税となり、医療費の自己負担も3万円下がりました。

ここでお伝えしたいのは、「制度を知っているかどうか」で負担が変わることがあるという点です。

当制度は、自動で適用されるわけではありません。対象になる可能性があっても、申請しなければ適用されないのです。

つまり、制度を知らなければ、本来は軽減できたかもしれない負担を、そのまま払い続けてしまうこともあります。

もちろん、実際に適用されるかどうかは自治体の判断や要介護状態などによって異なります。ただ、「自分は対象にならないだろう」と思い込まず、一度確認してみることは大切だと感じています。

 

※65歳以上でも対象になることも?要介護認定で活用できる「障害者控除」。手帳なしでも税負担を軽くする方法


「いくらかかるか」より、「どこまでなら負担できるか」


親の介護費用を考える時、多くの方は「平均でいくらかかるのか」を気にされます。

もちろん、それも大切です。

ただ実際には、「自分たちの家計で、どこまでなら負担できるのか」を考えておくことの方が重要です。

ここが決まっていないと、その時々の状況に流されやすくなります。

気づいたら想定以上にお金が出ていき、自分たちの老後資金に影響してしまうケースもあります。

だからこそ、介護では、在宅介護を続けるのか、施設を検討するのか、どこまでサービスを利用するのか、こうしたことを元気なうちから家族で整理しておくことが大切です。

※「うちは大丈夫」が一番危ない。親の介護で家族がすれ違う理由


「まだ大丈夫」と思える今だからこそ


今回の経験から、私が強く感じたのは、元気なうちに家族で話し合っておくことの大切さです。

誰がどこまで関わるのか。お金をどうするのか。介護する人の負担をどう支えるのか。

介護は、お金だけの問題ではありません。

家族で十分に共有できていないと、特定の人に負担が集中し、家族関係が苦しくなってしまうこともあります。

当事務所では、親の介護費用だけではなく、親のお金管理や認知症への備え、家族での話し合い、相続対策まで含めてご相談をお受けしています。

「親の介護が始まったら、家計はどうなるのか」
「介護費用をどこまで考えておけばいいのか」
「今のうちに家族で何を整理しておけばいいのか」

気になる方は、まずは状況整理から始めてみませんか。

▶ 初回20分無料(電話相談対応)
▶ メールで24時間受付中
▶ FP×行政書士として、介護とお金の両面から整理をお手伝いしています。