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「うちは大丈夫」が一番危ない。親の介護で家族がすれ違う理由


「うちは仲がいいから大丈夫」そう思っていました。

実際には、すでに一度目の介護は始まっていました。

 

父と母でいわゆる老老介護の状態が続いていたのです。ただ、その時はまだ母もリハビリを行いながら、少しずつ回復している状況でした。要介護2と3の状態で、基本的にはベッドで過ごす時間が多く、いわばベッドとお友達のような生活でしたが、食事はベッドに腰かけてとることができ、杖をつきながら少しずつ歩く練習もしていました。

 

わずかな距離ではあるものの、「できること」も残っていたため、家族としてはどこかで「まだ大丈夫」という感覚があったのだと思います。

 

そのため、介護の方針やお金について、家族で深く話し合うことはありませんでした。

  • なんとかやれているから大丈夫だろう
  • その時になれば考えればいい

そんな空気のまま、時間が過ぎていきました。


見えていなかった「介護する側」の負担

後になって分かったのは、介護を受ける側だけでなく、介護をする側のストレスも想像以上に大きいということです。

当時、私自身は「子どもとして親を支えるのは当然」という意識が強く、自然と母の状況ばかりを見ていました。

 

その結果、実際に介護を担っていた父の負担について、十分に目を向けられていなかったのです。

今振り返ると、あの時点で父の状況や気持ちを含めて整理しておくべきだったと感じています。


2回目に倒れたときに初めて見えたズレ


しかし、状況が変わるのは本当に一瞬です。母が2回目に倒れたとき、家族の中で初めて大きな意見の違いが出ました。

子どもとしては、「父はもう仕事もしていないし、在宅で介護するべきではないか」と考えていました。施設に入れるのはかわいそうだという思いがあったからです。

 

一方で、父ははっきりと「もう無理だ」と言いました。当時は、その言葉をうまく受け止めることができませんでした。

なぜそこまで強く言うのか、正直なところ理解しきれていなかったのです。

 

ただ、後になって気づきました。

父はそれまでの約10年間、母がまだ少し自分でできる時期から、老老介護の形で支えてきていました。

その積み重ねがあったからこそ、「これ以上は無理だ」という言葉になっていたのだと思います。

一方で、子どもである私は、その現実を十分に分かっていなかった。

 

同じ家族でも、見えている景色がまったく違っていたのです。どちらが正しいという話ではありません。

ただ、事前に話し合っていなかったことで、その違いがそのまま「すれ違い」として表に出てしまいました。


仲のいい家族ほど話し合いが後回しになる


こうしたことは、特別なケースではありません。普段は仲のいい家族ほど、遠慮や気遣いがあるために、お金や介護の話を後回しにしがちです。

そして、いざ状況が変わったときに初めて、それぞれの考え方が浮き彫りになります。

  • どこまで在宅で対応するのか
  • 施設を利用するのか
  • その費用をどう考えるのかなど

こうした判断は、時間に余裕がない中で決めることになり、感情も入りやすくなります。


あてはまる場合は一度立ち止まってみてください


次のような状況に心当たりがある場合は、少し注意が必要です。

  • 親の貯金や収入を正確に知らない
  • 家族で介護の役割やお金の話をしたことがない
  • 「なんとなく大丈夫」と感じている
  • 介護の方針を共有していない

一つでも当てはまる場合、いざという時に判断に迷う可能性があります。


話し合えないときは整理からでも大丈夫です


家族で話した方がいいと分かっていても、実際にはなかなか切り出せないものです。

  • 「まだ早いかもしれない」
  • 「親にどう思われるか気になる」
  • 「兄弟にどう伝えればいいか分からない」

そう感じているうちに、時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。

 

そのまま何も決まらないまま状況が変わってしまうと、落ち着いて話し合う余裕がなくなってしまいます。

実際には、こうした段階で少しでも整理しておくだけで、その後の話し合いは進めやすくなります。

また、家族だけで話そうとすると、どうしても遠慮や感情が入りやすくなります。


そんなときに、第三者が間に入ることで、それぞれの考えを落ち着いて整理できるケースもあります。

無理に結論を出す必要はありません。


まずは、今の状況を一度整理してみることが大切です。

  • 「何から考えればいいか分からない」
  • 「家族でどう話せばいいか迷っている」

そういった段階でも、簡単な整理から始めることはできます。

必要であれば、第三者を交えて状況を整理する方法もあります。無理のない形で、一歩だけでも準備を始めてみることが大切です。

 

一人で整理するのが難しい場合は、簡単なところから一緒に整理することもできます。

【今の状況を一度整理してみる】