老後や介護の準備を考えるとき、見逃してはいけないのが保険の見直しです。介護費用は突然発生することが多く、その金額も一時金や毎月の介護費用、介護期間によって数百万円から数千万円に上る場合があります。
これを十分に備えておかないと、家計を圧迫したり、家族間のトラブルを引き起こしたりするリスクがあります。今回は、介護費用を切り口に、保険の見直しでチェックしておきたいポイントをお伝えします。
保険を見直すタイミングとは?

保険の見直しは、ライフステージや環境の変化に合わせて行うことが重要です。特に以下のタイミングで見直しを検討することをおすすめします。
- 自身が50代になったとき
50代は、退職後の収入減少や医療・介護のリスクに備える必要がある時期です。この時期に、老後の生活に向けた収入減少への備えや、医療・介護に関する保険の必要性を再評価しましょう。保険加入の有無を見直すことが重要です。
- 定年を迎えた時
人生100年時代と言われ、定年後の生活が長期にわたる可能性が高くなります。そのため、長生きリスクに備えた保険の見直しが必要です。年金や医療費、介護費用に対する備えを、保険の加入有無も含めて再検討しましょう。
- 子供が独立したとき
子供が独立すると、学資保険や死亡保障の必要性が減少します。家計に余裕が生まれることが多いため、今後の保障内容を見直し、必要な保障にフォーカスした保険に切り替えることが可能です。このタイミングで保険の加入有無を含めた見直しを行うことが重要です。
介護費用に備えるための見直しポイント
民間介護保険への加入も選択肢の一つ:
介護費用に備える手段として、民間の介護保険を検討することがあります。公的介護保険だけではカバーしきれない費用を補填できるため、親の介護が見込まれる方や、自身の介護が心配な方にとって有効な選択肢の一つになります。
ただし、民間の介護保険を推奨しているわけではなく、ご自身のライフプランや経済状況に合わせて、最適な方法を慎重に検討することが大切です。介護費用に備える方法の一つとして、民間の介護保険を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
また、高額介護サービス費は所得に応じて上限が設定されており、高額療養費と同様に、介護保険サービスの自己負担額にも制限があります。この制度を活用することで負担額を抑えることが可能です。
しかし、介護保険が適用されないサービスもあるため、その場合は自己負担が発生します。民間の介護保険を利用することで、その負担を補うことができます。
チェックポイント:
- 保険金が一時金として受け取れるか、または年金形式か。一時金型は介護が始まった際にまとまった金額を受け取れる一方、年金型は定期的に介護費用を補填できます。
- 何歳まで加入できるのか。
- 健康状態など加入条件はどうなっているのか。
- 支払い条件(要介護度2以上など)が明確か。
- 保険料が家計に負担をかけない範囲か。
- 保険料は何歳まで支払う必要があるのか。

医療保険の過剰保障を削減:
医療保険を契約している方は、内容を一度見直しましょう。高額療養費制度や自治体の医療費助成を活用することで、医療費の自己負担額はある程度抑えられます。そのため、必要以上の保障を減らし、浮いた費用を介護保険に回すのも一つの方法です。
例えば:
- 入院1日1万円以上の保障が本当に必要か。
- 保険料を年間いくら支払っているのか、また今後いくら支払う必要があるのか。
- 複数の医療保険に加入していないか。
- 医療保険は本当に必要か。
- 医療技術の進歩で入院期間が短縮されているため、長期入院を前提とした保障が適切かどうかを再確認
死亡保障の見直し:
子供が独立し、住宅ローンが完済している場合、死亡保障の金額を減額することを検討しましょう。その分の保険料を介護保険や貯蓄型保険、投資などに充てることで、介護費用への準備を進められます。
保険特約の整理:
保険には多くの特約が付帯されている場合がありますが、すべてが必要とは限りません。特に使用頻度が低い特約は削除し、保険料をスリム化することで家計に余裕が生まれます。
保険の見直しで注意すべきポイント

- 保険が本当に必要か再確認
保険を見直す際には、まず「保険が本当に必要か」を再確認することが重要です。経済的合理性を理解したうえで、今の保険を別の保険に切り替えることが目的ではなく、まずは自分にとって本当に必要な保障が何かを考えましょう。
保険の見直しで重要なのは、無駄を省き、必要な保障を確実に備えることです。また、精神面にも配慮し、過度に不安を感じることなく、自分にとって安心できる範囲で保障を見直すことが大切です。
- 解約前に新しい保険の審査を確認
古い保険を解約する前に、新しい保険に加入できるかどうかを確認することが重要です。新しい保険の審査が通らないと、保険の保障が途切れてしまう可能性があります。
- 保険料が高くなることがある
新しい保険に加入する場合、その時点の年齢を基準に保険料が計算されます。そのため、現在の保険料よりも高くなることがあります。見直しの際には保険料の変動も考慮しつつ、無理なく支払える範囲での調整を心がけることが重要です。経済的な負担が大きくなると、精神的なストレスにもつながるため、自分の生活に合ったバランスを取ることが大切です。
- 健康状態で加入できないことがある
健康状態によっては、希望する保険に加入できない場合があります。新しい保険に加入できることが確定してから、現在の保険を解約するようにしましょう。この不確実性に対する不安を軽減するために、慎重に計画を立てることが心の安心感にもつながります。
- 解約返戻金の確認
貯蓄性のある保険商品では、解約時に解約返戻金を受け取ることができます。ただし、加入後すぐに解約すると返戻金が少なかったり、無かったりすることがあるため、事前にしっかり確認しましょう。
一方、掛け捨て型の保険では返戻金はありませんので、その点にも注意が必要です。
- 免責期間の確認
がん保険では、加入後一定期間(一般的には90日)にがんと診断されても保障が開始されない「免責期間」が設けられています。見直しを行う際は、免責期間を十分に理解し、経済的な不安を回避できるよう心構えをしておきましょう。
保険の見直しを専門家に相談するメリット
保険は種類が多岐にわたり、自分だけで最適なプランを見つけるのは難しいことがあります。そこで、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをおすすめします。私たちのような中立的な立場のFPは、特定の保険会社に偏らないアドバイスを提供できるため、安心してご相談いただけます。
おすすめポイント:
生活費や老後資金、教育資金など、全体の家計バランスを考慮して最適なプランを提案します。
介護や老後資金の準備について、適切な保険などの活用方法をアドバイスし、将来に向けた安心をサポートします。
現在加入している保険の内容を分析し、改善点や見直しが必要な部分を明確にします。ただし、最終的には保険会社に直接確認し、契約内容を確認することが重要です。その上で、より良い選択肢を提案します。
まとめ
保険の見直しは、家計の見直しや介護費用の準備を進めるうえで非常に重要なステップです。この記事を読んで気になる点があれば、ぜひ一度専門家にご相談ください。
現在、無料相談を実施中です!お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。家族やご自身の将来を安心して迎えるための一歩を一緒に踏み出しましょう。