※この記事は、実際の親の介護事例をもとに、一部内容を再構成したフィクションです。
「親の介護は大変」
そんな話は聞いていました。
でも私は、どこかで、
「何とかなる」
と思っていました。
私は60代半ば。まだ仕事をしています。
母は80代後半。母とは同居。
最初は、少し物忘れが増えた程度でした。
ところが、認知症が進むにつれて、生活は大きく変わっていきました。
仕事が終わって帰宅すると、部屋が汚れていることがありました。
トイレの場所が分からなくなり、部屋中が汚れてしまっていた日もあります。
疲れて帰宅した後、夜遅くまで掃除をする。
そんな日が続きました。
こちらは仕事もあり、毎日ギリギリです。
でも母は、自分が介護されている感覚がありません。
「これをやってくれ」
「あれはまだか」
そんな言葉が続き、私は少しずつ、「お手伝いさん」のように感じるようになっていました。
もちろん、母に悪気がないことは分かっています。
認知症の影響だということも理解しています。
それでも、心がすり減っていきました。
スマートフォンが鳴るたび、
「また何かあったのではないか」
と不安になるようになりました。
さらに悩んだのは、施設の問題です。
「特別養護老人ホームに入れれば安心」
私はそう考えていました。
しかし現実は違いました。
申し込んでも、すぐには入れない。
ようやく見つかった施設は、月30万円を超えていました。
年金だけでは足りません。
貯金を切り崩しながら、本当に続けられるのか不安でした。
その後、ようやく特養に空きが出ました。
ただ、今度は別の悩みが出てきました。
「あまり評判が良くないらしい」
本当にそこに入所させていいのか。
でも、他を待っている余裕もありません。
介護は、「施設に入れたら終わり」ではありませんでした。
- お金
- 仕事
- 家族の負担
そして、自分自身の気力。
少しずつ、日常が削られていく感覚でした。
実際、私が最初に相談したのは、介護そのものではありませんでした。
「母を施設に入れた場合、どのような制度が利用できるのか」という相談でした。
介護では、施設費用や医療費だけでなく、税金や社会保険など、お金の問題が大きな負担になることがあります。
介護で本当に怖いのは、介護そのものだけではありません。
- 仕事との両立
- 認知症への対応
- 施設探し
- 毎月の費用負担
- 家族の精神的疲労
こうした問題が、同時に押し寄せてくることがあります。
もちろん、すべての家庭が同じになるわけではありません。
しかし、元気なうちから、
- 施設について調べておく
- 家族で役割分担を話し合う
- 利用できる制度を知っておく
- 親のお金を整理しておく
こうした準備をしておくだけでも、将来の負担は大きく変わるのかもしれません。
当事務所では、親の介護費用や施設費用、家族での役割分担、お金の整理などについて、一般的な制度や考え方の整理をお手伝いしています。
