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老後のお金、どれくらい足りない?家計調査データで見る現実

こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)・行政書士の河村修一です。


親の老老介護・遠距離介護を実際に経験した立場から、相続手続きや遺言書の作成、財産管理に加え、介護費用の見通しや保険の判断、老後資金の準備まで幅広くお手伝いしています。

 

手続きとお金、両方の相談ができる窓口」として活動しています。

 

この記事も、そんなお悩みを持つ方のヒントになれば幸いです。


60歳を前に、これからの暮らしを考える


60歳を目前に控えて、ふと「これから自分はどんな生活を送りたいのか」と考える瞬間が増えていませんか?

 

会社員として多忙な日々を送り、やっと少し落ち着いたという方もいれば、自営業として長年続けた事業をそろそろ誰かに引き継ごうかと考えている方もいるかもしれません。

 

そんな中で、これから何を大切にしたいのか、改めて考え直す必要があるのではないでしょうか。


やりたいことと老後資金のバランス


また、70歳を超えると体力的に海外旅行などが難しくなることを考え、今のうちにやりたいことをやっておきたいと考える方も多いでしょう。

 

そのために退職金を使い切ってしまい、結果として老後資金が大きく減ってしまうケースも見られます。

 

ここで注意したいのは、家計管理の重要性です。収入と支出をしっかり把握し、管理することが欠かせません。

 

多くの人は、定年後は現役時代より稼ぐ力が落ち、金融資産を取り崩しながら生活していくことになります。

 

つまり、金融資産に「働いてもらう」ことが必要になるのです。

 

また、若いころ以上に支出をコントロールすることが求められます。

 

老後にどのくらいのお金が必要か、自分はどのような生活をしたいかを考え、それに合わせてお金の管理をしていくことが重要です。


老後の生活費はどのくらい?


では、定年後の生活費はどのくらい必要なのでしょうか。

 

人によって異なりますが、ここでは便宜的に2023年の家計調査の平均値を使って試算してみます。

 

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(非消費支出を含む)は月額約282,497円です。

 

厚生労働省の令和5年簡易生命表によると、夫が65歳から平均余命約20年(85歳)、妻が約25年(90歳)と仮定し、夫婦同年齢とします。

 

妻が一人暮らしになる5年間の支出は、総務省の65歳以上単身無職世帯の家計収支から月額約157,673円とされています。

 

これを基に計算すると、

  • 夫婦20年間:282,497円 × 12カ月 × 20年 = 約6,780万円

  • 妻一人暮らし5年間:157,673円 × 12カ月 × 5年 = 約950万円

合計:約7,725万円

 

これに介護費用や自宅のリフォーム代、家電の買い替え、趣味・旅行などの費用をざっくり加えると、1億円近くの支出が必要となる可能性があります。

 

※ 参考リンク:
家計調査(総務省 2023年)
令和5年簡易生命表の概況(厚生労働省)


老後の収入はどのくらい?


次に収入面を見てみましょう。

 

2023年の家計調査の平均値によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の実収入は約244,580円、単身無職世帯は約126,905円です。

これをもとに計算すると、

  • 夫婦20年間:244,580円 × 12カ月 × 20年 = 約5,870万円

  • 妻一人暮らし5年間(遺族年金と自身の年金で約6割と仮定):144,000円 × 12カ月 × 5年 = 約860万円

合計:約6,734万円

 

ざっくり言えば、約6,500万円の収入に対して約1億円の支出が必要なので、約3,500万円の不足が見込まれます。


不足額を別の視点から見ると…


また、家計調査の不足額データを用いると、

  • 夫婦世帯の不足額は月37,916円

  • 単身世帯は30,768円

これを基に再計算すると、

  • 夫婦20年間:37,916円 × 12カ月 × 20年 = 約910万円

  • 妻一人暮らし5年間:30,768円 × 12カ月 × 5年 = 約185万円

合計:約1,095万円の不足

 

これに介護費用や住宅リフォーム、趣味・旅行費用を加えると、やはりざっくりと3,000万円~3,500万円の不足が想定されるのではないでしょうか。

 

※リフォーム代約600万円、介護費用を約1,100万円(約550万円×2人分)、そのほかにも親の介護費用支援など

 

※参照 アットホーム 2023年『一戸建て修繕』の実態調査

※参照 生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する 全国実態調査


退職金はどのくらい期待できる?


ここに退職金を加味します。令和5年就労条件総合調査によると、定年退職者の退職給付額は、

  • 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):約1,896万円

  • 高校卒(管理・事務・技術職):約1,682万円

  • 高校卒(現業職):約1,183万円

これらを踏まえると、退職金を含めても約1,600万円〜2,400万円程度が不足する可能性があります。

 

 

※参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況(厚生労働省)


老後資金が足りない?次回は「備え方」を考えます


このように、現役時代のように毎月安定した収入がない中で、長期にわたりまとまった支出が必要になるのが老後です。


もちろん年金という公的な収入源はありますが、それだけでは不足する可能性もあります。

 

では、この不足分をどう補えばよいのでしょうか?


次回は、年金の受け取り方の工夫や、保険の見直し、資産の活用法について考えていきます。

 

また、介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。

 

メディア掲載実績
私のコメントや情報提供を行った記事が、以下のメディアに掲載されています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

【過去の一部の相談事例】

・介護費用がどれくらいかかるのか不安(50代女性)

・老後を見据えたライフプラン作成(50代)

・親の遺言書・生前贈与について(40代男性)

・資産運用について基本を整理したい(60代女性)

・介護費用に関連する補足給付について(50代女性)

・医療費控除の概要について(50代女性)

・親の有料老人ホームの費用に関するキャッシュフロー表作成(50代夫婦)

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・親の保険と介護費用に関するご相談(50代女性)

・自宅の民事信託の活用と概要について(50代男性)

・所得控除と介護費用の関連について(60代女性)

・金融機関の解約手続きについてのご相談(60代女性)

・遺産分割協議書の作成に関するご相談(60代女性)

・親の介護費用と一時払終身保険の活用について(50代女性)

・老後資金のキャッシュフロー表作成(60代男性)

・年金受給に関するご相談(60代男性)など

 

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