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親のお金を守るために。認知症リスクに備える最適なタイミングと方法

「親のお金に口を出していいのか?」と悩む人は少なくありません。

 

特に親が高齢になると、財産管理や生活費の管理が課題となることがあります。

 

認知症のリスクが高まることもその一因です。

 

実際、アルツハイマー型認知症や他の認知症が死因の首位になったという報道もあります(2025322日 日本経済新聞朝刊)。

 

1990年には脳卒中が1位で、認知症は6位でした。

 

認知症は年々増加傾向にあり、今後も高齢者の大きな課題となるでしょう。

 

特にアルツハイマー型認知症は、初期のうちは気づきにくく、少しずつ症状が進行するため、いつ発症したのかが分かりにくいことがあります。

 

そのため、親のお金の管理について話し合うタイミングを見極めることが重要になります。

 

とはいえ、お金の話はデリケートな問題です。

 

切り出し方を間違えると、親との関係が悪化してしまうこともあります。

 

そこで今回は、親のお金に関与すべきベストなタイミングと、スムーズに話し合うための方法について解説します。


親のお金に介入すべきタイミング

親のお金に介入するタイミングは非常に難しい問題ですが、なるべく早めに対策を考えるべきだと思います。

 

その理由は、詐欺にあったり、トラブルに巻き込まれるリスクがあるからです。

 

私の親の場合、すでにアルツハイマー型認知症と診断されていましたが、最初は「まだ大丈夫だろう」と思い、悠長に構えていました。

 

しかし、次第に少し前に聞いたことを別の話の後に繰り返し尋ねることが増えてきました。

 

また、昼食をしたこと自体は覚えていても、何を食べたかを思い出せず、適当に答えることが度々ありました。

 

お金の管理もだんだん面倒になったようで、施設のスタッフに管理を頼むこともありました。

 

さらに、役所からの通知などもほとんど目を通さず、聞いてみると「字を読むのがしんどい」と言っていました。

 

表情もなんとなく無表情になり、笑顔が少なくなったようにも感じました。

 

最初は、ちょっとした物忘れを年相応のものだと考え、あまり気にしないようにしていた自分がいたと思います。

 

さらに、そうはいってもまだ元気だと言い聞かせていたのかもしれません。

 

今振り返ると、このような状況になった時点で、お金の管理を見直すべきだったのだと思います。

 

その後、私が提案したのは、キャッシュカードを預かり、必要な時に送金するという方法でしたが、親からは強く反対されました。

 

やはり、自分のお金に対する感覚は、どんなに管理が難しくても親自身には変わらないことを実感しました。

 

結局、通帳を預かり、入出金に不審な動きがないかを確認することにとどめました。

 

運よく、詐欺などのトラブルには巻き込まれなかったので良かったのですが、親の財産を守るためには、親への配慮と様々なアプローチを考え、実行していくことが非常に大切だと感じていま


親とお金の話をする際のポイント

親とお金の話をする際には、特に慎重なアプローチが必要です。

 

大切なのは、親の気持ちを尊重し、安心感を持ってもらうことです。

 

まず大前提として、親のお金は親のものだということを理解することが重要です。

 

そのため、「親のお金を強制的に管理したり、奪うつもりではない」ということをしっかり伝えることが大切です。

 

親が心配しないよう、自然な流れで話を進めることが大切です。

 

例えば、「最近、振り込め詐欺の被害が増えているけど、大丈夫?」などといった時事的なニュースから入ると、親も子どもも話しやすくなるかもしれません。

 

また、「親が知っている友達の親に詐欺の電話がかかってきた」などといった具体的な事例を挙げると、話がしやすくなることがあります。

 

いきなり財産管理の話を持ち出すのは避けたほうが良いでしょう。

 

特に、親がまだ自分で元気だと思っている場合、急にそのような話を持ちかけると、あらぬ疑いをかけられる可能性があります。

 

「通帳を見せてほしい」というような話を突然するのではなく、上記のように日常的な話題から少しずつお金の話にシフトすることがコツです。

 

例えば、「最近、ネットバンキングを使う人が増えているみたいだけど、便利そうだね」といった話題から入ると、親も自然に話に参加しやすく、抵抗感が少なくなることがあります。

 

親は元気なうちは、自分の財産について口を出させたくない、またはすべて見せたくないと考えることが多いため、その気持ちを理解した上で話を進めることが大切です。

 

また、親に選択肢を示しながら話すことも重要です。

 

「もしも管理が面倒になった時には、こういった方法もあるけれど、どう思う?」といった形で、親が納得しやすい選択肢をいくつか提案すると、親も自分のペースで決断できるようになります。

 

このように、親とお金の話をする際には、尊重と配慮をもって進めることが大切です。

 

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「お金の管理を任せてほしい」と言うよりも、「最近、民事信託という方法があるらしいけど、どう思う?」といった形で、具体的な選択肢を提案すると、親も冷静に考えやすくなります。

 

また、成年後見制度や定期的に一緒に通帳をチェックする方法など、いくつかの選択肢を示すことで、話がスムーズに進むこともあります。

 

「転ばぬ先の杖」という例えを使って、保険と同じように予防的な対策として考えてもらうと理解しやすいののではないでしょうか。

 

もし、兄弟姉妹がいる場合は、事前に話し合っておくことは重要な要素です。

 

誰か一人が勝手に進めると、後々「知らなかった」とトラブルになることがあります。

 

兄弟姉妹と「どこまで関与するのか」「どう情報共有するのか」を話し合い、できれば親を交えて話を進めると良いでしょう。


まとめ

親のお金の管理に関わるのはデリケートな問題ですが、早めに対策を取ることで、親の生活を支えつつ、将来のトラブルを防ぐことができます。

 

認知症の兆候が見られたり、生活費の管理が不安定になったりしたら、親の財産管理の方法を考えるべきタイミングです。

 

ただし、話を切り出すときは、親の気持ちを尊重し、無理に進めず、自然な会話の流れを意識することが大切です。

 

また、兄弟姉妹がいる場合は事前に協力体制を整えておくと、トラブルを避けやすくなります。

 

親が元気なうちに、少しずつ話を進めておくことが、将来の安心につながります。

 

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