現代の生活において、保険は私たちにとって安心感を与えてもらえるものです。
けれども、多くの人が自分に最適な保険を選べていない、または必要以上に高い保険料を支払っている現状もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、「無駄な保険料を削減し、必要な保障を確保しながらコストを抑える方法」についてFPがご紹介します。
自分に合った保障内容を再確認する

現在加入中の生命保険を再確認しましょう
生命保険を見直す第一歩は、今どんな保険に入っているのかを把握することです。
保険証券を確認し、大きくは、以下のような点をチェックしてみましょう。
- 保険の目的(誰のため、何のための保障か)
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保障内容(死亡保障、医療保障、特約等)
- 支払要件(どのような状態になると給付金などがもらえるのか等)
-
保障期間(終身、有期、一定の期間など)
-
保険料(いつまで支払うのかなど)
- 解約返戻金の有無(掛け捨ての保険、積立型の保険等)
もし、保険の詳細が分からない場合は、加入している保険会社に直接問い合わせて確認しましょう。
保険料が高いと感じる場合の原因と対策
保険料が高いと感じる場合、保障内容が現在の生活状況に対して過剰になっている可能性があります。
たとえば、以下のようなケースがあります。
- 若い頃に加入した保険の保障額が、現在の生活スタイルに合っていない
- 家族構成やライフスタイルの変化により、必要な保障内容が変わっている
- 医療保障が複数の保険で重複しているなど
必要な保障を見直すためのポイント
家族構成や資産状況を考慮し、以下のポイントを確認しましょう。
- 十分な貯金や資産がある場合:死亡保障や医療保障などが過剰ではないか
- 子どもが独立した場合:以前と同じ保障額が本当に必要かどうか
- 医療保障が重複していないか:無駄な保険料が発生していないか
保険の見直しを行う際には、保険を単独で検討するのではなく、ライフプランを作成し、キャッシュフロー分析を行うことで、必要な保障が明確になるのではないでしょうか。
見直しの際には、まず「そもそも保険が必要か?」を検討することが大切です。
必要な保障に絞ることで、無駄な保険料を削減できます。
例えば、以下のような問いを自分に投げかけてみましょう。
- 十分な預貯金があるのに、医療保険などは必要ですか?
- 独身で扶養家族がいない場合、高額な死亡保障は必要ですか?
- わずか何十万円という死亡保障額が、本当に今の自分にとって必要ですか?
本当に必要な保険に絞る

保険には、医療保険、がん保険、生命保険、介護保険などさまざまな種類があります。
しかし、しかし、これらすべてに加入していると、毎月の保険料が高額になり、家計を圧迫する可能性があります。
そのため、自分に本当に必要な保険だけを選ぶことが重要です。
また、すでに加入している保険を「払済保険」や「延長定期保険」に切り替えられる場合は、この先の保険料の支払いをやめることもでき、将来の保険料負担を軽減することができます。
必要な保障を見極めるための3つの視点
① ライフステージの変化に合わせた保険の見直し
ライフスタイルや家族構成の変化に応じて、必要な保障も変わってきます。
例えば、
-
住宅を購入したとき
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子どもが独立したとき
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退職や定年を迎えたとき
こうしたタイミングでは、死亡保障額や医療保障の内容を見直すことで、過剰な保険料の支出を防ぐことができます。
② キャッシュフロー分析で家計全体を見直す
将来の収入や支出を見通す「ライフプラン」や「キャッシュフロー表」を作成することで、どれくらいの保障が必要かを具体的に把握できます。
保険を単独で検討するのではなく、家計全体のバランスの中で必要な保障を考えることが重要です。
③ 保険の重複をチェックする
医療保障などが、複数の保険で重複しているケースは少なくありません。
たしかに、保障額が大きければ安心感は増しますが、その分、保険料も高くなり、気づかないうちに家計を圧迫している可能性があります。
民間の保険に加入する前に、まずは、公的な医療保険制度(健康保険や高額療養費制度など)でどこまでカバーできるのかをしっかり理解することが大切です。
そのうえで、「本当に民間の保険が必要なのか」「重複している保障がないか」を見直すことで、不要な保険や保険料を見直すきっかけになるかもしれません。
なお、保険を見直す際は、次のステップを意識して進めると、無理なく保障内容を整理できます。
-
ライフプランを作成し、キャッシュフロー分析を行う→ 将来の収支と保障の必要性を見える化します。
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必要な保障だけを残し、過剰な保障は見直す→ 解約や減額、もしくは特約の見直しを検討します。
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「払済保険」「延長定期保険」などの選択肢を活用する→ 将来の保険料負担を抑える方法として有効です。
- 新たに必要な保険の検討→ 相続税対策として保険の活用を検討します。
※参照 生命保険文化センタの
保険料などを比較して選ぶ
保険料は、契約時の年齢や健康状態、保険商品の種類によって異なります。
また、保険会社ごとに保障内容や特約が異なり複雑なので、全く同じ条件で比較することが難しい場合があります。
それでも、自分にとって最適な保険を選ぶには、できるだけ近い条件で複数の保険商品を比較することが重要です。
さらに、私は、パンフレットを読んでも内容が分かりにくい複雑な商品よりも、仕組みがシンプルで理解しやすい保険を選ぶことをおすすめしています。
シンプルな保険は、年齢を重ねても内容を理解しやすいため、長期にわたって継続するうえでの安心感につながります。
将来、年をとってからでも内容が把握できるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。
比較する際のポイント
- 可能な限り条件を揃えて比較する
各保険会社の商品は全く同じではないため、比較が難しい場合もあります。ただし、基本的な保障内容や保険料を基準に、条件が近いもの同士を比較しましょう。
- 評判やサービス内容も確認する
保険料だけでなく、保険会社の信頼性やサービスの質も重要な要素です。特に保険金請求時の対応などがしっかりしている会社を選びましょう。
- インターネットの比較ツールを活用する
ネット上には、複数の保険商品を簡単に比較できる便利なツールがあります。違いを把握するために活用するのもおすすめです。
- 保険代理店や中立のFPに相談する
専門家に相談することで、自分だけではわからない違いや注意点を知ることができます。中立のFPは、保険の必要性の有無や特定の保険会社に偏らないアドバイスをしてくれます。
定期的な見直しが保険料節約のカギ
「保険は一度加入したら終わり」ではありません。
ライフステージや家計の状況が変われば、必要な保障内容も変わってきます。
定期的に保険を見直し、現在の生活に合った保障内容に調整することで、無駄な保険料の支出を抑えることができます。
付帯サービスも保険選びの重要なポイント

保険会社において、保険契約に付帯サービスがついていることがあります。
これらのサービスも、保険商品を選ぶ際の判断材料として検討することが大切です。
たとえば、「24時間電話健康相談」「がん相談」「介護相談」などのサービスが無料で提供される場合があります。
これらをうまく活用すれば、保険料の対価をより有効に活かすことができます。
とくに、予防医療や日々の健康管理に役立つサービスは、将来的な医療費の削減にもつながるでしょう。
また、保険会社によっては、健康管理に取り組むことで保険料が割引になるなどの特典を提供している場合もあります。
こうしたサービスや特典もうまく活用しましょう。
保険料の支払い方法を工夫する

保険料は支払い方法を工夫することで、無駄なコストを削減することができます。
以下の方法を検討してみましょう。
- 年払いまたは半年払いに切り替える
月払いよりも「年払い」や「半年払い」に変更することで割引が適用される場合があります。これにより、年間の保険料を削減することができます。
- 一時払いで総額を安くする
契約時に保険料を一括で支払う「一時払い」を選択すると、トータルの支払い額をさらに安く抑えられる場合があります。
- クレジットカード払いでポイントを活用する
保険料をクレジットカードで支払うと、カードのポイントが貯まる場合があります。これにより、実質的に保険料を節約できる可能性があります。
支払い方法の変更で保険料を見直す
保険料を節約するには、契約内容だけでなく支払い方法にも目をむけてみてはどうでしょうか
少しの工夫で年間のコストを削減できることもありますので、保険会社に支払い方法の選択肢を確認してみましょう。
まとめ
保険料を削減するには、まず「本当に必要な保障内容とは何か」を見極め、過剰な保障を見直すことが大切です。
そのためにも、保険の必要性を再確認し、選び方や保障内容について丁寧に見直していきましょう。
ライフプランを明確にし、将来の生活設計に基づいた保障を検討すれば、無駄のない保険の組み立てが可能になります。
さらに、キャッシュフロー分析を活用して、現在の収支や将来の支出を把握することで、家計に無理のない保険料を設定することができます。
こうした見直しを行うことで、無駄な支払いを抑えつつ、必要な保障をしっかりと確保することができるのです。
もし、保険の選び方に迷っている方や、保険料の見直しについて不安がある方は、ぜひ【お問い合わせ】ください。個別にアドバイスさせていただきます。
※なお、個別の生命保険商品のご案内は行っておりませんので、予めご了承ください。
また、もし今、親の介護が心配なら、ぜひ一度、「介護とお金そなえプラン」を検討してみてください。
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