老後の生活資金に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
日本では平均寿命が延びる一方で、公的年金だけでは十分な生活を維持するのが難しいと言われています。
この問題について、国もすでにアナウンスしており、例えば、個人年金保険料控除のような所得控除制度が存在します。
また、早めに資産運用を始めることも老後に備えるために重要です。
本記事では、初心者でも取り組みやすい資産運用の基本について解説します。
老後資金の目標額を設定する

まず、老後に必要な資金を具体的に把握することが大切です。
令和5年の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、老後生活にかかる年間消費支出は約300万円。
不足分は年間約45.5万円となっています。
仮に30年間生活すると、必要な金額は約9,000万円、不足分は約1,365万円にも及びます。
ただし、年金の支給額や現在の貯蓄状況によって目標額は異なります。
家計の状況を見直し、老後のライフスタイルに合わせた資金計画を立てましょう。
※参照 家 計 調 査 報 告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支
資産運用の基本を理解する
資産運用を始める前に、以下の基本知識を押さえましょう。
- リスクとリターンの関係
リスクが高い資産(株式など)はリターンも高くなります。
一方、リスクが低い資産(債券や定期預金)はリターンも低めです。
自分のリスク許容度を理解し、バランスを取ることが大切です。
- 分散投資の重要性
資産を複数の商品や地域に分けて投資することで、リスクを軽減することができます。
たとえば、日本株だけでなく海外株や債券など分散投資するのがおすすめです。
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時間を味方につける
資産運用は長期的に行うほど、複利の効果を得やすくなります。
早めに始めることで、より多くの利益を得る可能性が高まります。
※参照 資産形成の基本(金融庁)
初心者にお勧めの投資は?

資産運用を始めたばかりの方には、以下のようなものがおすすめです。
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投資信託
少額から始められ、プロが運用を行うため初心者でも安心です。
バランス型の投資信託を選べば、株式や債券など複数の資産に分散投資が可能です。
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NISAつみたて投資枠
運用益の非課税制度を利用できるため、税金の負担を軽減しながら資産運用ができます。
毎月少額からコツコツ積み立てることで、長期的な資産形成が期待できます。
なお、つみたて投資枠の商品は「長期・分散・積立」投資に適した金融庁が定めた一定の商品が対象です。
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iDeCo(個人型確定拠出年金)
老後資金の準備に特化した制度で、掛金が全額所得控除の対象となります。
節税効果が高く、将来の資産形成に役立ちます。
ただし、原則として60歳まで引き出すことができません。
※ 参考 NISAを知る 金融庁
無理のない計画を立てる

投資を始める前に、お金を目的別に分類してみましょう。
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生活費などすぐに使うお金
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病気やケガ等、緊急時に備えるお金
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自動車の買い替えなど、2–3年以内に確定しているお金
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当分使わないお金(10年以上)
「当分使わないお金(10年以上)」が投資できるお金です。
投資である以上、元本が減るリスクも考慮しなければなりません。
そのため、無理のない計画を立てることが重要です。
また、定期的にポートフォリオを見直し、自分の状況に合わせて調整しましょう。
資産運用に不安を感じる場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)や金融機関のアドバイザーに相談するのも一つの手です。
専門家のアドバイスを受けることで、自分に合った運用プランを見つけやすくなります。
まとめ
老後資金の不安を解消するためには、早めに行動を起こすことが大切です。
まずは目標額を設定し、基本的な知識を身につけた上で、自分に合った投資商品からスタートしましょう。
継続的に資産運用を行うことで、将来の安心感を手に入れることができます。
今からでも遅くありません。小さな一歩を踏み出して、明るい老後を目指しましょう!
また、もし今、親の介護が心配なら、ぜひ一度、「介護とお金そなえプラン」を検討してみてください。
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