介護費用の準備が急務の理由とは?

日本の高齢化が進み、ますます多くの人々が介護を必要とする時期に差し掛かっています。
介護が必要になると、本人や家族の生活が激変し、経済的な負担も増加します。
本当に「激変」です!
しかし、介護費用の準備は意外と後回しにされがちです。
まずは医療費の準備からという人が多いのではないでしょうか。
ただ、突然介護が必要になった場合、一般的には、医療よりも経済的にはインパクトが大きく、どのように資金を準備するかが、老後の生活の質を大きく左右します。
特に、75歳以上の高齢者のうち約3人に1人が要介護認定を受けており、介護が長期化する場合も多いため、早期から計画的に備えておくことが重要です。
この記事では、介護費用を効率的に準備するために、保険と資産運用をどのように組み合わせるかを具体的に紹介します。
介護費用の準備方法:選択肢と実態

介護費用は人それぞれ異なります。
まずは介護の仕方と介護費用を理解しておきましょう。
例えば、高級有料老人ホームに入居すれば高額な費用がかかりますが、比較的安価な公的介護保険施設に入所したり、自宅で介護保険サービスを利用することで、費用を抑えることもできます。
介護費用は選択する「介護サービス」や「介護期間」によって大きく異なるため、早い段階で自分に合った準備方法を考えることが大切です。
介護が必要になるリスクとその影響
介護の必要性が高まる年齢に達すると、いざという時のための資金準備が不可欠です。
たとえば、80歳で介護が必要になった場合、介護施設にかかる月々の費用は施設によって異なりますが、特別養護老人ホームなどの公的施設の場合でも、月額5万円~15万円くらいかかります
このため、介護が長期化する可能性を見越して、計画的に準備を進めることが求められます。
介護費用を保険で準備する
介護費用の準備には、民間の介護保険を活用する方法があります。
その前に、まず、最も基本的な公的介護保険制度を理解することが重要です。
公的介護保険は、65歳以上の高齢者が利用(第1号被保険者)でき、所得に応じて自己負担額が1割~3割となります。
しかし、公的介護保険だけでは全ての介護費用をカバーするのは難しいため、民間の介護保険が有効な補完手段となります。
公的保険と民間保険の違い

- 公的介護保険
所得に応じて負担額が決まり、全国どこでもサービスを受けられます。ただし、介護保険サービスには範囲があります。
例えば、訪問介護サービスを利用している場合に、来客の応接や自動車の洗車や掃除、ペットの世話、大掃除などは対象外です。
また、介護保険サービスの費用は、1カ月の支給限度額も要介護度ごとに定められており、超えると全額自己負担となります。
- 民間介護保険
民間保険は、契約者と保険会社と契約をします。
保険内容(保険金額・保証期間・保険料など)は契約時に決まっています。
民間介護保険は、公的介護保険のように強制加入ではなく、任意加入のため、新たに自己負担として保険料の負担が生じます。
民間介護保険は、多くの保険会社が取り扱っており、保障内容も多岐に渡ります。
保険を選ぶ際には、持病の有無や年齢制限、支払い続ける保険料など、複数の要素を比較検討することが必要です。
また、保険会社の信頼性も確認しましょう。
例えば、参考にするのはムーディーズなどの格付機関の格付けです。
なお、留意しておきたいことは、加入したいからといって必ず加入できるわけではありません。
加入の可否については、あくまでも保険会社側がもっています。
介護費用を見越した資産運用も
介護費用を準備するための資産運用の重要性も見逃せません。
介護費用は、早めに準備すればするほど有利です。
そのため、資産運用も介護費用の備えとして有効な手段といえるでしょう。
例えば、介護にかかる費用は、生命保険文化センターの調査から単純に計算すると、平均で542万円となります。
これを一度に用意するのは難しいため、長い期間をかけて、少額ずつでも早い段階から積み立てを行うことが重要です。
ただ、中には、「資産運用はリスクが高い」と感じる方もおられるでしょう。
リスクを抑える方法としては「長期・分散・積立」投資をお勧めです。
また、個人向け国債や定期預金、投資信託のインデックスファンドなどを組み合わせることによっても、安全志向で、長期的に資産を育てながら、介護費用に備えることもできるのではないでしょうか。
保険と資産運用の組み合わせ
保険と資産運用を組み合わせることで、将来の介護費用に効率的に備える方法の一つかもしれません。
具体的には、早期に介護保険に加入し、同時に資産運用を行うことで、経済的な負担を分散することが可能です。

保険の活用法
民間介護保険や生命保険を適切に活用することで、介護が必要になった際の大きな経済的支えを得ることができます。
特に民間介護保険は、介護が必要になった際に支払われる保険金で大きな助けとなります。
生命保険や医療保険も併用することで、より包括的なカバーも可能です。
ただし、保険で準備する場合には、保険料が必要になるということです。
今の生活費にプラスで固定費が上乗せされます。
また、商品によっては、掛け捨てもあり、仮に介護になっても給付要件を満たさなければ、一円も戻ってきません。
保険のメリット・デメリットだけで判断するのではなく、ライフプランなども含めた全体像から、本当に必要かどうかを検討することをおすすめします。
資産運用とのバランス
個人向け国債や投資信託などを活用することで、将来の介護費用の準備になる可能性もあります。
ただし、投資信託や株式など元本割れする恐れがあります。
また、余裕資金で投資をしておかないと、いざ、急遽資金が必要になったときに困ります。
順調に残高が増えているときであればいいのですが、リーマンショックのような暴落時であれば元本の半分くらいとなって目も当てられません。
このようにリスクにも目を向けながら「長期・分散・積立」投資を実行することでリスクをコントロールすることができます。
まとめ:今すぐに始める介護費用の準備

介護費用の準備は、今すぐに始めるべき重要な課題です。
保険と資産運用を賢く組み合わせることで、将来の不安を軽減し、安心した老後生活を送るための土台を作ることができます。
自分に合った準備方法を選び、少しずつでも計画的に備えることが、将来の安定した生活につながります。
今すぐ、保険の見直しや資産運用の計画を立て、安心できる未来を作りましょう。
また、もし今、親の介護が心配なら、ぜひ一度、「介護とお金そなえプラン」を検討してみてください。
あなたとご家族の未来の安心をサポートします。
介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。
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