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親の介護がきっかけで兄弟げんかに?お金の話でモメないための5つの工夫

親の介護は、きょうだい間の関係性に大きな影響を与えるものです。


実際、「介護を担ったのに報われない」「介護費用や相続をめぐってきょうだいと揉めた」など、介護とお金の問題が家族関係を悪化させるケースは少なくありません。

 

 

本記事では、そうしたトラブルを未然に防ぐために、家族で話し合っておくべき5つのポイントをご紹介します。


昔と今で変わる相続と介護の常識

かつての日本では、「親の介護は長男が担い、その代わりに財産をすべて相続する」という家督相続の考え方が一般的でした。


しかし、現代では、「親の財産はきょうだいで平等に分けるべき」と考える人が増えています。

 

 

こうした価値観の変化が、介護をめぐる摩擦を生む大きな原因になっているのかもしれません。


【実話をもとに】介護をめぐるきょうだいの対立

Aさん(長男)は、要介護状態の母親と同居し、母親の介護のために仕事を辞めました。

 

最初は、遠方に住む弟や、近隣に住む妹も、Aさんの献身的な介護に感謝し、「将来、母親の財産はすべてAさんが受け取ってほしい」と言っていました。

 

しかし、時間が経つにつれ、弟や妹の訪問頻度は減少し、Aさんが一人で介護と生活費を支える状況になりました。

 

母親の介護費用はAさんが負担し、「きょうだい」からの金銭的援助はありませんでした。

 

Aさんも、「きょうだいも母親の財産は自分が受け取るべきだと言っていたので、当然、自分が受け取るものだろう」と考えていました。

 

しかし、母親が亡くなった後、弟と妹の態度は一変し、「母親の財産をAさんが私的に使っていたのではないか」などと疑念を抱きました。

 

結局、「きょうだい」の間で遺産分割を巡る争いが起こり、関係は決定的に悪化しました。

 

このようなケースは決して珍しいものではなく、どの家庭でも同様の問題が起こりうることです。

 

きょうだい間のトラブルを防ぐためには、親が元気なうちにしっかりと話し合い、ルールを決めておくことが大切です。

※実際の事例をもとに内容や設定などを変えてわかりやすくしています。


トラブルを防ぐための5つの対策

1. 介護の役割分担を明確にする

介護の負担が一人に集中しないよう、きょうだい間で役割を決めることが重要です。

 

例えば、主な介護を長男が担当するなら、金銭的支援を弟や妹が行うなど、バランスを取ることが望ましいです。

 

遠方に住んでいる「きょうだい」も、定期的に親の様子を見に行くことを決めておくと、負担感の偏りを防ぐことができます。

 

※参考 親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策 朝日新聞Reライフ.net

2. 介護費用の負担ルールを決めておく

介護にかかる費用は想像以上に高額になることがあります。

 

親の預貯金をどのように使うのか、「きょうだい」の間でどの程度負担するのかを事前に決めておくことで、後々の誤解やトラブルを防ぐことができます。

 

親の貯金をどこまで使うのか、きょうだいでどの程度負担するのかを早い段階で共有しておくことが重要です。

 

※参考 親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策 朝日新聞Reライフ.net

3. 財産管理の透明性を確保する

 

介護費用や親の財産管理について、透明性を確保することが重要です。

 

例えば、親の通帳を特定の「きょうだい」が管理する場合でも、定期的に収支を「きょうだい」間で報告することで、不信感を防ぐことができます。

 

また、親の判断能力が低下する前に「任意後見契約」などを結んでおくと、スムーズに財産管理ができるでしょう。

 

こうした備えが、「財産の使い込みでは?」といった不信感を未然に防ぎます。

 

※参考 親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策 朝日新聞Reライフ.net

4. ルールを口約束で終わらせない

「きょうだい」で話し合った内容を口約束で終わらせるのではなく、合意書などとして書面に残しておくことが重要です。

 

「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、文書化することで互いの理解が深まり、責任の所在も明確になります。

 

※参考 親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策 朝日新聞Reライフ.net

5. 親に遺言書を書いてもらう

相続を巡る争いを防ぐためには、親が遺言書を作成しておくことも大切です。

 

遺言書には、「介護の負担を考慮し、長男に多めの財産を渡す」などの意思を明確に記しておくと、「きょうだい」間の公平性を保ちつつ、納得感のある分配が可能になります。

 

なお、公正証書遺言であれば、よりトラブルの防止につながります。

 

※参考 親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策 朝日新聞Reライフ.net


まとめ

親の介護を巡る「きょうだい」間のトラブルは、多くの家庭で起こりうる問題です。

 

トラブルを避けるためには、介護の負担や費用、財産管理に関するルールを明確にし、事前に「きょうだい」間でしっかりと話し合っておくことが重要です。

 

また、口約束だけではなく、合意書や遺言書などを作成することで、「言った・言わない」の争いを防ぎ、将来的なトラブルを回避することができます。

 

「きょうだい」が協力し合いながら親の介護を進めることが、何よりも親孝行につながるのではないでしょうか。

 

さらに、信頼できる親戚や第三者などを交えて話し合うことで、よりスムーズに進行することもあります。

 

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 親が認知症になったときの財産管理・手続きをどうするか決まっている

 介護施設に入る場合の費用や条件を調べたことがある

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 介護が必要になったとき、誰が主に対応するのか家族で合意している

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