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葬儀や役所への届出など身内がいない

葬儀、役所への届出など身内がいない場合どうする?

独居のAさん。今後のことを考えると、お葬式や役所への届出等が心配。

 

お葬式については、葬儀会社に生前予約をするのもひとつです。お葬式には、一般的には、「一般葬」「家族葬」「直葬」の3つの大きくわかることができるでしょう。 

一般葬

「一般葬」とは、昔からある伝統的なお葬式です。通夜、告別式を2日間にわたって行われるのが一般的です。

家族葬

最近人気があり、度々耳にするのが「家族葬」でしょう。「家族葬」とは、明確な定義はありませんが、参列者を親族や親しい友人などに限定して行うお葬式です。「一般葬」との違いは、参列者数の大小と言われています。なお、最近では、通夜を行なわず、一日葬も増えています。

直葬

「直葬」とは、お葬式をせず、火葬のみを行うものです。また、お葬式の規模や費用的には、「一般葬」>「家族葬」>「直葬」となります。

 

 

生前予約の留意点

Aさんは、どのような規模等のお葬式を考えているかを明確にする必要があるでしょう。生前予約をしておけば、基本的には、ご自身の希望にかなった葬式が可能になります。

 

生前契約のときに、「どのサービスが含まれて、どのサービスが含まれていないか」などをしっかりと確認する必要があります。なお、「葬儀費用が高くなるのは、祭壇や棺等のグレードアップや参列者の人数によって増減する変動費」です。

国民生活センターのホームページに相談事例「葬儀は事前に契約していた金額よりも高額になることがあるの?」をご参照ください。

 

葬儀社のビジネスという立場で考えると、売上を上げるためには、お客様の数を増やすか、単価をあげるか、両方上げるのかになります「売上=客数×単価」。

 

客数は亡くなる人の数ですので、商圏等である程度決まり、葬儀社がコントロールするのは難しいでしょう。一方、単価については、葬儀社のスタッフの方と遺族の方が直接打ち合わせをするため、単価を上げることは可能です。そのため、祭壇等のグレードアップをすすめられるのは自然でもあります。

 

Aさんは、内容を明確にして自分の希望にあった葬儀会社と綿密な打ち合わせをして決めておくとよいでしょう。その他にも、契約変更が可能か、お金の支払いなどについても確認しましょう。いつ亡くなるかは誰にも分かりません。例えば、お金を前払いした場合、自分の葬儀までに葬儀会社が破産することもあります。このような不安を解消するために葬儀費用を信託銀行や信託会社に信託する「葬儀信託」という制度もあります。ご希望の葬儀会社に取扱いの有無を確認してみてはどうでしょうか。

 

死亡届の届出は誰ができるの?

また、Aさんの死亡届は誰ができるのでしょうか。届出できる人は、法律で決まっており(戸籍法87条)、「親族、同居人、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見人受任者」となっています。

 

(戸籍法87条)

第八十七条 次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。

 

第一 同居の親族

 

第二 その他の同居者

 

第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

 

② 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。 

 

親族はいなくて、同居人もなく一人で暮らしのAさんが亡くなった場合、どうなるのでしょうか。

 

自宅は持家のため家主、地主、家屋管理人、土地管理人いません。亡くなる直前まで元気である場合は、後見人、保佐人、補助人もいません。このように持家で親族がいない、一人暮らしの人にとって、任意後見制度を利用するのはどうでしょうか。

 

任意後見制度とは、判断能力のある人が、将来、認知症などにより意思表示ができなくなった場合に備えて、財産管理や身上保護を代理してもらう人を予め選んでおくこと(ご自身で信用できる人に依頼する)です。なお、任意後見契約は必ず公正証書で作成しなければなりません。

任意後見契約の効力が生じる前は、任意後見人ではなく、任意後見受任者という立場になります。

 

任意後見制度、詳しくは法務省のホームページをご参照ください。

 

死亡届の届出をできる人の中に、任意後見受任者があります。Aさんの場合は、もしものときに備えて、任意後見契約を結んでおくと安心でしょう。また、死後事務委任契約も合わせて締結しておけば、亡くなった後のことも安心です。

 

誰が葬儀社に死亡の連絡をするの?

Aさんの死亡の連絡を誰が葬儀会社に伝えるのでしょうか。葬儀会社は自らAさんが亡くなったことを把握して、サービスを提供することはありません。つまり、誰かが葬儀会社に伝える必要があります。そのためには、①遺言に記載して、遺言執行者に葬儀の依頼をする、②死後事務委任契約を締結しておくなどが考えられます。

 ※死後事務委任契約とは、死後の諸手続き、葬儀、埋蔵等に関する事務等を信頼できる人などに依頼しておく契約です。

 

まとめ

お葬式のことや亡くなった後の行政への届出等心配ごとは尽きません。お葬式は生前予約などをしてご自身の希望などを葬儀社につたえておくこともいいでしょう。また、行政への届出は任意後見契約や死後事務委任契約等を締結しておくことも有益でしょう。

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