収入は年金のみ。固定資産税や自動車税が重い
先般、次のようなことを聞きました。
(Aさん)
年金だけで毎月の生活には困らないんだけど。。。。。
(Bさん)
私もなんとかやっていけてるけどね。
(Aさん)
ただ、固定資産税や自動車税などの支払いがあると大変。。
(Bさん)
そうそう
年に1回や数回に分けて支払うものが困った支出になるそうです。確かに、毎月の生活費については年金収入に見合った支出するようにしますが、自動車税等をそのときに分割して貯金するというのは難しいでしょう。その場合は、貯金を取り崩す等で対応する必要があるでしょう。可能であれば、携帯電話代や生命保険料などの固定費を見直してみてはどうでしょうか。
高齢になると収入のメインは、ほとんどの人が年金収入ではないでしょうか。年金制度の概要を簡単に確認しましょう。
公的年金制度とは
公的年金制度には、国民年金と厚生年金があります。また、年金制度は3階建てなっており、1階は日本国内に居住している20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金、2階は会社員や公務員の人が加入する厚生年金保険、3階は企業年金や確定拠出年金などです。
国民年金の第1号被保険者とは、学生、農業従事者、自営業者など。第2号被保険者は、サラリーマンや公務員、第3号被保険者はサラリーマンや公務員の配偶者になります。
なお、国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人、国外に居住する20歳以上65歳未満の人で日本国籍の人、被用者年金制度の老齢年金または退職年金の受給権を持つ20歳以上60歳未満の人などが基礎年金額を満額に近づけるために(市区町村に申し出ることにより)任意加入被保険者となることができます。
また、65歳までの期間では老齢基礎年金の受給資格期間が不足するが70歳まで加入すれば期間を満たすことができる一定の人(昭和40年4月1日以前誕生者で65歳以上70歳未満の人)は特例的に高齢任意加入できます。
※詳しくは日本年金機構のホームページをご参照ください。
公的年金の給付の種類
公的年金からの給付には、「老齢」、「障害」、「遺族」の3種類。
- 「老齢」給付は、年をとったときに給付されます。老齢基礎年金、付加年金、老齢厚生年金。
- 「障害」給付は、障害状態にあるときに給付されます。障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金。
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「遺族」給付は、死亡によって遺族になったときにう給付されます。遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金、遺族厚生年金。
年金支給月は、偶数月(の15日)となり、前月までの2カ月分が金融機関に振り込まれます。
詳しくは、コチラ(厚生労働省)
老齢基礎年金
受給要件
- 65歳以上
- 受給資格期間が10年以上
保険料納付済期間が40年(原則、20歳以上60歳未満)ある場合は、満額79万5千円/年(R5年)。
付加年金
第1号被保険者だけが任意で加入できる制度。通常の国民年金保険料に月額400円を付加して納付すると、老齢基礎年金に上乗せして受給できる制度です。ただし、国民年金基金との併用はできません。つまり、国民年金の第1号被保険者を対象に、国民年金保険料に加えて付加保険料月額400円を納めることによって、付加年金(200円×付加保険料納付済期間の月数の式で計算した額の年金)を受け取れる。
老齢厚生年金
厚生年金保険の被保険者期間のある人は、原則として、65歳に達すると老齢基礎年金の上乗せとして老齢厚生年金が受給できます。ただし、生年月日によって60歳から64歳までの間に受給できます。なお、60代前半に支給される老齢年金を特別支給の老齢厚生年金といい、その支給開始年齢は段階的に引き上げられ、最終的に廃止されます。
障害基礎年金
要件
- 初診日において「国民年金の被保険者であること」または、「国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有すること」
- 障害認定日に1級・2級の障害等級に該当する状態であること
- その他に保険料納付要件あり
障害厚生年金
要件
- 初診日において厚生年金保険の被保険者であること
- 障害認定日に1級・2級・3級の障害等級に該当する状態であること
- その他に保険料納付要件あり
障害手当金(厚生年金のみの制度)
受給要件(すべてを満たす必要あり)
- 被保険者期間中に初診日があり、その傷病が原因で障害の状態
- 初診日から5年経過するまでに傷病は治癒
- 傷病の程度が一定の状態
- 保険料納付要件を満たしている
手当金の額
《障害手当金の算式》
算式(報酬比例部分の計算式)にスライド率を掛けません。(注、生年月日による乗数の読み替えもありません)
被保険者期間の月数を300月とする最低保障があります。
なお、最低保障は1,153,800円です。
遺族基礎年金
遺族基礎年金を受け取れるのは、死亡した人の「子のある配偶者」または「子」だけです。子のいない配偶者や子がいても一定の要件を満たしていない場合には受給できません。具体的に「子」とは以下の通りです。なお、配偶者の要件は被保険者等の死亡の当時、被保険者等に生計を維持されており、「子」と生計を同じくしていたものになります。
- 18歳になって最初の3月31日を迎えていない
- 20歳未満の1級・2級の障害状態にある
寡婦年金
寡婦年金は、国民年金第1号被保険者の夫が(一定期間保険料を納付して)原則10年の受給資格期間を満たした上で死亡したとき、子がいない場合は(掛け捨てを防止するために)婚姻期間10年以上の妻が60歳から65歳に達するまで、夫が受け取る予定の老齢基礎年金の4分の3相当額が支給される年金。 ただし、死亡した夫に障害基礎年金の受給権がなく、老齢基礎年金の支給も受けていなかった場合に限られます。
死亡一時金
死亡一時金は、第1号被保険者として保険料を納付した期間が合計3年以上ある人が、年金を受け取ることなく死亡し、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合、死亡した人と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹に支給される一時金です。なお、寡婦年金、死亡一時金の両方を受け取れる場合は、どちらかひとつの選択。
遺族厚生年金
- 厚生年金保険の被保険者が死亡したとき
- 厚生年金被保険者期間中に初診日のある傷病で、初診日から5年以内に死亡したとき。ただし、死亡当時、保険料納付要件を満足している必要があります。
- 1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
遺族厚生年金受給権の支給順位については、最高順位の人が受給できるものであり、それ以外の遺族は受給できません。遺族厚生年金が受給可能な遺族は、死亡した人によって生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母までです。なお、配偶者が妻の場合年齢制限はありませんが、子については未婚の子であって18歳到達年度の末日までにある子または20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にある子に限られます。
まとめ
高齢になると年金収入がメインです。ずっと自営業者だった人は、国民年金しかありません。一方、ずっとサラリーマンだった人は、厚生年金があります。収入の差が大きく、自営業者の人は自分で積立する必要があるでしょう。そのためにも年金制度を理解することやiDeCoの活用も一つです。厚生年金の人も、人によって違ってきますので、毎月の生活費の収支はトントンでも、自動車税や固定資産税の支払いを念頭に入れてマネープランをたてましょう。その一歩が、固定費の削減が最も確実で簡単ではないでしょうか。
※年金制度、複雑です。まずはざっくりと知ることが大切では?
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