高齢者の住まいの主な種類は?

Q)高齢者向けの施設には主にどのようなものがありますか

 

A)高齢者向け施設は大きく分けると、①公的施設と②民間施設に分けられます。また、(A)元気なときに住み替えたいのか、それとも(B)介護になったときの施設を探したいのかでも変わってきます。

 

①の公的施設、かつ、(A)元気なときの施設」としては、主なものには、自立型のケアハウスなどがあります。ケアハウスは公的施設のため費用が低額で魅力的です。なお、費用は本人の収入に応じて異なります。提供されるサービスは、食事のほか、入浴の準備や生活相談などあります。毎月の費用が低額(約7万円~15万円)であるため、入居できれば前向けに検討してみてはどうでしょうか。

 

ご参考までに公益社団法人 全国老人福祉施設協議会ご覧ください。

 

 

「①の公的施設、かつ、(B)介護になったときの施設」

 

①の公的施設、かつ、(B)介護になったときの施設」として、主なものは介護保険施設になります。介護保険施設には「介護老人保健施設(以下、老健)」、「特別養護老人ホーム(以下、特養)」、「介護療養型医療施設」、「介護医療院」があります。

 

特養は原則、要介護3以上となっていますが、その他の施設は要介護1以上です。施設費用では、「介護保険のサービス費(1割~3割)」に「食費・居住費」、「日常生活費」が加算されます。

 

また、住民税非課税世帯や資産等の一定の要件を満たした場合は、「食費・居住費」が軽減されます。公的施設であればの制度です。ただし、デイサービスには適用されません。以下、各施設の特徴です

 

<関連記事>

特養と老健の入所要件の違いはあるの

介護費用の軽減制度

特養とは?

入居する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うことを目的とする施設です。終の棲家になります。

老健とは?

要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。在宅復帰を目指す施設になります。

介護療養型医療施設(2024年3月廃止)から 介護医療院へ

要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。長期療養・生活のための施設です。

 

※参照 施設について詳しくは厚生労働省のコチラをご参照ください。

 

「②の民間施設、かつ、(A)元気なときの施設」

②の民間施設、かつ、(A)元気なときの施設」としては、主なものには、サービス付高齢者向け住宅(以下、サ高住)、住宅型有料老人ホームなどがあります。

サ高住とは?

必ず安否確認や生活相談サービスがあり、その他にも食事の提供や家事援助などサービスがある場合もあります。また、介護になった場合、特定施設入居生活介護の指定を受けたサ高住であればスタッフが、受けていない場合は、外部の介護保険サービスを利用します。月額家賃として約5万円~25万円。

住宅型有料老人ホーム

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護になった場合でも、外部の介護保険サービスを利用し、継続して住み続けられます。月額の費用はピンキリです。

 

参照 有料老人ホームの基礎知識(全国有料老人ホーム協会)

 

「②の民間施設、かつ、(B)介護になったときの施設」

 

「②の民間施設、かつ、(B)介護になったときの施設」として、主なものは、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム

認知症高齢者グループホームになります。

介護付き有料老人ホームとは?

介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。 介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら当該有料老 人ホームの居室で生活を継続して住み続けられます。費用はピンキリです。

住宅型有料老人ホームとは?

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護になった場合でも、外部の介護保険サービスを利用し、継続して住み続けられます。月額の費用はピンキリです。

認知症高齢者グループホームとは?

 要介護1(一部要支援2)以上の認知症の人が対象になります。5人~9人を1単位として家庭的な共同施設を送る施設です。

毎月の費用は、約12万円~20万円。

 

まとめ

高齢者向け施設は多様化しており、分かりにくいのが現状です。まずは、公的施設か民間施設かで分けてみてはどうでしょうか。

比較的安価な公的施設に諸条件で入ることが難しい場合に、民間施設を検討するのもひとつです。

 

最近では、有料老人ホームも価格破壊が進んでおり、費用が安い場合もあります。気になる施設があった場合には、実際に訪問したりして、情報を収集しましょう。