83歳の親(医療費の自己負担が1割負担である)が突然倒れ入院。親の医療費は窓口で一旦全額支払わなければならないのでしょうか。
窓口での医療費の支払額は上限である57,600円となります。
後期高齢者医療保険の加入者は75歳以上の方は全員加入します。なお、65~74歳で一定の障害があり、広域連合の認定を受けた方も対象になります。
この保険証には、有効期限、被保険者番号、氏名、生年月日、資格取得日、発効期日などが記載されています。保険証の下段のほうに一部負担金の割合が記載されています。この一部負担金の割合は、所得区分が一般の方は「1割」、所得区分が現役並み所得者の方は「3割」になります(ここでは詳細は割愛)。
83歳の親は保険証をみると一部負担金が「1割」と記載されていました。保険証から親の医療費の月の1日から末日までの上限は57,600円がわかります(下表参照)。ただし、住民税非課税世帯の場合、「限度額適用・標準負担額減額認定証」を提示することにより、医療機関の窓口での自己負担額が24,600円または15,000円になります(下表参照)。
負担割合 | 所得区分 | 外来(個人ごと) | 外来+入院 |
1割 | 一般 | 18,000円 | 57,600円 |
住民税非課税世帯等 区分Ⅱ | 8,000円 | 24,600円 | |
住民税非課税世帯等 区分Ⅰ | 15,000円 |
保険証だけでは、被保険者が一般に区分されるのか、住民税非課税世帯等であるかがわかりませんので、57,600円の負担となります。ここでは、親の所得区分は一般に該当しました。なお、住民税非課税世帯等(区分ⅡまたはⅠ)に該当した場合には、57,600円と(区分Ⅱであれば)24,600円の差額が戻ってきます。区分Ⅰの場合は57,600円と15,000円の差額になります。また、住民税非課税世帯等の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」を市区町村の後期高齢者医療保険制度担当課等に申請することにより窓口での支払いも上限である24,600円(区分Ⅱの場合)または15,000円(区分Ⅰ)になります。
同一月に病院を転院した場合は、どうなるのでしょうか。親が急性期のA病院から回復期のB病院へ月中に転院した場合です。
この場合は、月の1日から末日までの上限が57,600円であるからといって適用されません。A病院とB病院では別請求となりそれぞれが自己負担額上限の場合にはA病院で57,600円、B病院でも57,600円を支払うことになります。その後、高額療養費として57,600円が戻ってきます。
特に高齢者世帯の方で息子さんや娘さんが遠方におられる方等は申請書類等を忘れないようにしましょう。
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