2021年度から始まる介護保険制度の改正のうち「補足給付」の資産要件はどのように変わりそうでしょうか?「補足給付」の概略は住民税非課税世帯の方に対して自己負担である介護保険施設などの食費や居住費が軽減される制度のことです。
補足給付の資産要件が厳しくなります。年金収入等が80万円以下の単身の場合、現状であれば預貯金等残高が1,000万円以下の方は補足給付対象でしたが、2021年度からは預貯金残高が650万円以下でなければ対象者になりません。その他、現在の3段階が細分化され、年金収入などが80万円超120万円以下の場合には預貯金等残高が550万円以下、年金収入が120万円超の場合には預貯金等残高が500万円以下でなければ対象になりません。このような方向性で進んでいます。※現状では1段階、2段階、3段階が住民税非課税世帯で住民税課税世帯は4段階(基準)となっています。
具体的には、例えば、母親が国民年金のみ年間48万円を受給している場合、認知症などで要介護5で特養に入所したとしましょう。母親は終の棲家である特養に入所したため住民票が特養に移動することができます。その結果、母親は単身世帯となります。母親は800万円の預金を持っていました。※高額介護サービス費は考慮しない。
現状制度で、ユニット型個室に入所した場合、1ヶ月での費用は、介護保険サービス費1割(約27,500円)と食費(約12,000円)・居住費(約25,000円)に日常生活費10,000円で約74,500円が必要になります(厚労省HP サービスにかかる利用料を参照)。
2021年度介護保険制度の資産要件が上記のように変われば、母親は、預貯金残高が800万円あるので、基準額の4段階になります。その結果、介護保険サービス費1割(約27,500円)と食費(約42,000円)・居住費(約60,000円)に日常生活費10,000円で139,500円となります(厚労省HP サービスにかかる利用料を参照)。
負担額が約65,000円増加し、負担額が現状の倍まではいかないにしても、ほとんど倍近くになります。2015年の改正時も同じように負担額が増えて大変になった記憶があります。
見込通り2021年度の「補足給付」の資産要件の変更になれば、負担増になり家計の見直しもする必要性がありそうです。
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