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差額ベット代は病院都合でも支払う必要があるのか

病院から「相部屋」が満床なので、「個室」に入院するしかないと言われました。この場合、差額ベット代を支払わなければならないのか困っています。「相部屋」が満床など病院側の都合等で「個室」しか空いていないのであれば、入院患者の家族が差額ベット代の支払いの拒絶すれば支払う必要はありません。同意のサインなどをしてしまうと支払う必要があります。

 

 


差額ベット代とは、正式には「特別療養環境室料」といいます。実際の1日あたりの差額ベット代は、厚労省の「主な選定療養に係る報告状況」(平成29年7月1日現在)では以下のようになっています。

  • 1人室 7,837円
  • 2人室 3,119円
  • 3人室 2,798円
  • 4人室 2,440円
  • 平均   6,188円

例えば、10日間個室に入ると、平均で約6万円強は上乗せ金額になります。全額が自己負担となり、入院日数が長期化すると費用負担が重くのしかかってきます。

保医発0305第6号、平 成 3 0 年 3 月 5 日「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定め る掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医 薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正についてという通知があります。ご参考にしてください。

 

差額ベット代について記載されていることは、上記のP15に

(6) 特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基 づいて行われる必要があり患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと

このように記載されています。

 

また、上記のP16には

(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること

なお、③に掲げる「実質的に患者の選択によらない場合」に該当するか否かは、患者又は保険医療機関から事情を聴取した上で、適宜判断すること。

 

① 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者 側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)

② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合

(例)

・ 救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監 視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者

・ 免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者 ・ 集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者 ・ 後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の 設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)

・ クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個 室への入室を特に希望した場合を除く。)

③ 病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合

(例)

・ MRSA等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止 するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者の場合

・ 特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合

なお、「治療上の必要」に該当しなくなった場合

 

このように病室が満床であり、病院側の都合で個室に入った場合には、差額ベット代を支払う必要はありません。ただし、同意をした場合は、支払う必要があります。


また、次のような通知もあります。事務連絡平成30年7月20日厚生労働省保険局医療課が通知している疑義解釈資料の送付について(その6)です。

問1の答えの4に次のようなことが記載されています。 

4 なお、今般の通知改正の趣旨については、医療現場において、特別療養環 境室以外の病室の病床が満床であった場合に、 ・ 特別療養環境室の設備構造、料金等についての明確な説明がないまま、 同意書に署名させられていた

入院の必要があるにもかかわらず、特別の料金の支払いに同意しないの であれば、他院を受診するよう言われた といった不適切と思われる事例が報告されている(以下略)。

 

実際に、私自身も次のことを言われました。「個室に入ることを同意しないのであればどうしますか?」一瞬困りましたが、通知を思い出し、一応事務方と上記の通知について確認を求めました。結果、差額ベット代は「必要なし」となりました。担当の方が言われていたのは「感染症の場合」に差額ベット代は必要ないが、満床の場合には該当しないとの認識でした。

もし、このような状況で差額ベット代を請求された場合、一度確認を求めることをお勧めします。

 


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