父親がアルツハイマー型認知症と診断された私が実感したこと
私は、83歳になる父親がアルツハイマー型認知症の診断を受け、物忘れがひどくなる中で、介護と財産管理に対する早期対策がいかに重要かを痛感しています。
父が最初に物忘れを気にし始めたのは、2012年のこと。76歳だった当時、家で火を使うのが怖いと言いながらも、「火を使って調理した」と言うなど、記憶の混乱が増えていました。その後、家の鍵を忘れて帰宅し、鍵を失くした場所も覚えていない状態が続きました。
当時、長谷川式テストで29点(30点満点で、20点以下が認知症疑い)という結果だったため、医師からは「大丈夫でしょう」と言われました。
しかし、家族の直感として、物忘れは進行していると感じ、翌年にはMRIを受けた結果、アルツハイマー型認知症が診断されました。
早期検査と対策がカギ!
認知症が進行すると、本人の判断能力が失われ、財産管理にも支障をきたします。家の売却や修繕、定期預金の解約など、すべての財産関連の決定が困難になる可能性があるため、早めに対策を講じることが重要です。
対策として主なものは、以下のとおりです。
- 生前贈与
早期に財産を分けることで、相続時の負担を減らし、認知症の進行による制限を回避します。
- リバースモーゲージ
自宅を担保にしてローンを組む方法で、資金を得ながら住み続けることができます。
- リーズバック
自宅を売却した後に借りて住む方法で、住み慣れた場所にとどまることができます。
- 家族信託(民事信託)
信託契約を結ぶことで、父親が判断能力を失った後も、家族が財産管理を行うことができます。
- 任意後見契約
認知症の進行が進む前に、任意後見契約を結ぶことで、信頼できる人に財産や生活に関する管理を任せるこ
とができます。後見人に指定する人物を自分で選べるため、安心して生活を支えることが可能です。
- 遺言書の作成
万が一、認知症が進行した場合に備え、遺言書を作成しておくことも重要です。遺言書により、相続人や遺
産の分け方を明確にしておくことで、相続争いを防ぎ、遺産管理をスムーズに行うことができます。
早期に対策を取ることで、安心した未来を守る
私の経験から、早期に認知症の兆候を感じた段階で、家族の力を借りながら適切な対策を取ることが最も重要だと感じています。
認知症が進行する前に、財産管理や相続の準備を進めることで、将来の負担を大きく軽減できます。
もし、あなたのご家族にも認知症の兆候が見られる場合は、ぜひ一度、専門家に相談してみてください。早めの対策が、将来の安心につながります。
まとめ
認知症の進行により、判断能力が失われる前に、早期に財産管理や相続、そして介護費用対策を進めることが非常に大切です。私自身の父親の経験から、早期対策を講じることで、将来の不安を減らすことができました。
生前贈与、リバースモーゲージ、リーズバック、家族信託、任意後見契約、遺言書など、介護費用対策を含めた財産管理方法を組み合わせることで、安心した未来を作ることができます。認知症に備えるため、早めの準備と専門家への相談をお勧めします。早めの対策が、あなたとご家族の将来の安心に繋がります。