住民税非課税とはどのような方

住民税非課税の場合には介護保険施設に入所した場合、補足給付があります。補足給付とは、介護保険施設に入所したときに「食費・居住費」が軽減される制度です。

 

さて、住民税非課税の方(世帯)とはどのような場合でしょうか。

 

住民税非課税(住民税が課税されない人)は「均等割」と「所得割」がともにかからない方のことです。

 

つまり、「均等割」がかからなければ非課税になります。

 

(※下記1~3は「所得割」・「均等割」の両方かからない要件です。)

1.生活保護法による生活扶助を受けている方

2.障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、所得税法別表第五により年収204万4千円未満)の方

3.前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方

・扶養家族がいない場合

 

1級地 基本額45万円

2級地 基本額41.5万円

3級地 基本額38万円

※金額が異なる自治体もありますので詳細は各自治体にお問い合わせください。

・扶養家族がいる場合

1級地 基本額35万円×世帯人員数+10万円+加算額21万円

2級地 基本額31.5万円×世帯人員数+10万円+加算額18.9万円

3級地 基本額28万円×世帯人員数+10万円+加算額16.8万円

※世帯人員数とは本人、控除対象配偶者、扶養親族(16歳未満の扶養親族を含む)の合計額

※参照 練馬区

※金額が異なる自治体もありますので詳細は各自治体にお問い合わせください。

合計所得金額とは

※合計所得金額とは、それぞれの所得の種類(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得)ごとに、収入金額からその収入を得るために要した必要経費などを差し引いて算出した所得金額を合計したものです。

 

例えば、

  • サラリーマン等の給料をもらっている人であれば、給与所得となり、「収入金額-給与所得控除額-特定支出控除額」が給与所得の金額になります。
  • 年金を受給している人であれば、雑所得となり、「公的年金等の収入金額-公的年金等控除額」が雑所得の金額になります。

住民税非課税はお住いのところで多少合計所得金額の違いも

お住いのところによって「前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方」のため合計所得金額が違ってきます。以下、級地制度のほんの一例です。

 

1級地:東京23区、川口市、さいたま市、三鷹市、立川市、横浜市など

2級地:上尾市、川越市、柏市、羽村市、佐倉市、八千代市など

3級地:坂戸市、銚子市、木更津市、成田市、久喜市など

 ※参照 生活保護制度における地域差等について 平成23年6月28日 第3回社会保障審議会生活保護基準部会

下記の事例で確認してみます。

(事例)Aさん

  • 千葉県柏市在住(2級地)
  • 80歳男性
  • 年金収入のみで他に収入なし
  • ひとり暮らし
  • 生活保護受給者でもなく、障害者などにも該当しない

Aさんが住民税非課税となるのは年金収入がいくら以下の場合でしょうか。

 

柏市は2級地のため、合計所得金額が415,000円以下であれば住民税非課税になります。

 

Aさんは年金収入しかないので、合計所得を年金収入におきかえると、年金額=415,000円+公的年金等控除額(1,100,000円)=1,515,000円以下であれば住民税非課税(所得割も均等割もかかりません)になります。

 

つまり、Aさんの年金収入が1,515,000円以下であれば所得割も均等割もかかりませんので、基礎年金(国民年金)しかもらってない人で他に所得がない人の場合が該当します。

※柏市HPご参考まで

 

住民税非課税世帯になると公的介護施設の軽減も

 

物価高騰対策で給付金の支給などでは、「住民税の均等割も所得割もかからない人」などを対象にしており、上記の計算式で算出されるため、所得控除(配偶者控除、医療費控除等)は関係ありません。

 

公的介護施設に入所するときも、住民税非課税(均等割も所得割もかからない)であれば、「居住費・食費」が軽減(資産要件もあり)されますが、医療費控除や生命保険控除等の所得控除をいくら多くしても関係ありません。ただし、所得税・住民税は少なくなります。

 

※ご参考までに住民税の計算は、下記のようになります。

  1. 収入金額-必要経費等=所得金額
  2. 所得金額-所得控除額=課税所得金額
  3. 課税所得金額×税率-調整控除-税額控除(住宅ローン控除、寄附金税額控除等)=所得割額
  4. 所得割額+均等割額=個人市・県民税額

(補足)土地、家屋などの資産および株式等の譲渡所得、先物取引、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得、山林所得、退職所得については、他の所得と区分して各々の計算方法により税額が算出されます。

 

まとめ

住民税非課税という耳にします。住民税非課税は基本的には前年の所得を基準にして判定されます。

 

所得ですので、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、医療費控除などの所得控除の多寡は関係ありません。

 

なお、所得税や住民税は少なくなります。

 

また、前年の所得になり、今現在の所得ではないことに注意が必要でしょう。

 

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