介護費用を「直接的」または「間接的」に少しでも軽減できる制度は、「高額介護サービス費」、「高額介護医療合算制度」「航空会社などの介護割引」などがあります。
次に、介護費用を少しでも捻出するためには以下の方法が考えられます。
- リースバックやリバースモゲージの活用(親が持ち家の場合)
- 自宅の売却(親が持ち家の場合)
- 自宅をリフォームをして賃貸(親が持ち家の場合)
- 親や子の民間生命保険の見直し
- 民間金融機関などからの介護ローン
- 障害者控除等
ただし、上記のうち、もし、親が認知症などで判断能力がない場合、親名義の自宅のリースバック、リバースモーゲージ、売却などの契約行為はできません。
逆に、要介護になっていても、判断能力があれば上記の行為が可能です。
ただ、自宅の売却といってもすぐに出来るわけではありません。
不動産の売却には一般的に時間がかかります。
その間に親が判断能力がなくなると自宅の売却が不可能となり、介護費用の捻出が困難となります。
このような場合には民事(家族)信託を活用するのも一つの方法です。
例えば、父親が脳梗塞で要介護状態になり、母親が父親名義の自宅で在宅介護をしています。
その後、母親が転倒して要介護となり入院しました。
父親と母親は自営業のため国民年金のみで収入は多くありません。
長男は、そこで特養に申し込みをしましたが、早くても1年くらいかかるとのことでした。
また有料老人ホームは費用が高いため躊躇しています。
特養の順番がくるまで老健入所して、その後、特養に入る予定にしましたが、特養はユニット型個室での入所予定で、親の預貯金が2000万円ちょっとあるため補足給付はありません。
毎月大体14万円かかります。
また、母親も退院後、老健への入所から特養への入所になります。
そこで毎月の介護費用が不安です。
長男はすでにマイホームを持っており、親の自宅は空き家となります。
ゆくゆくは自宅を売却して介護費用に充てたいと両親は思っています。
そこで父親が判断能力のあるうち民事(家族)信託を活用して自宅を売却できるように準備することに決めました。
このように民事(家族)信託は、介護費用を捻出する方法のひとつになります。
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